米Intelは、将来すべてのプロセッサに無線技術を統合する「Radio Free Intel」構想を発表した。米国で開催中の「Intel Developer Forum(IDF)Fall 2003」で、同社上級副社長兼CTOのPat Gelsinger氏が基調講演で述べた。
Gelsinger氏によれば、「今後10年間で、世界のほとんどの通信はワイヤレスで行なわれるようになる」とし、Intelではコンピューティングと通信の融合を加速していくという。同社ではすでに0.18ミクロンのデジタルCMOSプロセス技術により無線部品のコアの開発に成功したとしており、このようなデジタル製造プロセスによってアナログ無線部品を製造することで、無線プラットフォームのコスト削減などが図れるとしている。また、Radio Free Intel構想の核となるシリコン無線技術以外にも、チャンネル予測技術やスマートアンテナ技術などで革新的な技術を開発しているという。
Gelsinger氏に続いて講演した同社コミュニケーション事業本部担当副社長兼CTOのEric Mentzer氏は、今後Intel Centrinoモバイルテクノロジープラットフォームで予定している製品について説明。2003年末にIEEE 802.11b/g対応製品の量産を開始するほか、2004年上半期にはIEEE 802.11a/b/g対応製品の量産を開始する。また、最長通信距離が30マイル、最大通信速度が70Mbpsを実現する無線MAN(Metropolitan Area Network)仕様のIEEE 802.16aに対応したシリコンについても開発中だとしており、同規格を推進する団体であるWiMAX認定の機器を2004年下半期に提供することで、ブロードバンドアクセス機器の主要OEMメーカーと合意しているという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2003/030919b.htm
関連記事:半径約50km、最大70Mbpsの無線規格を非営利団体WiMAXが推進
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0409/wimax.htm
( 永沢 茂 )
2003/09/19 20:00
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