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独版ドメイン名拡大~ウムラウト(変音記号)をどうするか


 日本語ドメイン名が登録できるようになってから久しいが、アルファベットを使う欧州の国々でも、英語以外の言語では、ドメイン名を「きちんと」登録することができない場合が存在する。例えば、独語であれば、ウムラウト(a,o,uの上に「"」がつく)やエスツェット(β)など、英語にない文字だ。

 .deで終わる独ドメインのほか、.atで終わるオーストリア(独語圏)、.chで終わるスイス(独語圏がある)および国際ドメインである.infoにおいて、ウムラウトでの登録を年内にも認める見通しがあるということがわかった。

 従来、独語のこのような特殊文字は、それぞれの言い換え規則によって言い換えられた後の綴り字で登録されていた。言い換え規則とは、「"」の代わりに「"」が付くa、o、uの後にeを追加する方法だ。例えば、株式を表すbo"rse(ここでは便宜的にウムラウトを「o"」と表記)はboerseと言い換えられ、登録されている。この言い換えは、歴史的には正しい言い換えなので、通常の通信文などでの使用は問題がない。エスツェットについてもssと言い換えられるので、特に問題は生じてこなかった。しかし、やはり特殊文字は、それを持つ言語にとってアイデンティティの象徴ともなるものだけに、本来の表記で使いたいという要望もあったことは事実だ。

 今回の特殊文字開放は、他の側面で、物議を醸し出している。というのも、マンハイムにある独語研究所(Institut fuer Deutsche Sprache、ここでもfuerのueはウムラウト)の調査では、独語の単語の実に17.19%が少なくとも1文字のウムラウトを有しており、250万語がそれに該当するというのだ。独語は複合語が多いことを考えると、660万語がウムラウトを有する単語として存在するという考え方もあり、それだけウムラウトドメインとして登録される可能性があるということになる。

 当然、ウムラウトドメインが解禁されると、登録が殺到することになるのだが、困ったのは登録機関。というのも、従来のeでの言い換えと、ウムラウトとを両方登録していいのかという問題が発生するのだ。この点、独裁判所は1つの企業または個人に原則として1つのアイデンティティ、すなわち1つのドメインとすべきと判定する可能性もある。

 日本語ほど多様性がないとはいえ、非英語圏の欧州でもいろいろ問題が指摘される中、実際の登録は始まることになる。


関連情報

URL
  ニュースリリース(独文)
  http://www.sedo.de/presse/presse_230903.php4?language=d
  united-domains(ドメイン登録サイト、独文)
  http://www.united-domains.de/


( Gana Hiyoshi )
2003/09/25 10:59

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