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Opera社CEOのTetzchner氏、「Opera」の開発理念を語る


 トランスウエア主催による「Operaカンファレンス」が26日に東京都内で開催され、ノルウェーOpera Software ASA社CEOのJon S. Tetzchner氏が講演し、Webブラウザ「Opera」の開発理念を語った。


すべての人にアクセシビリティを提供するのがOperaの理念

Opera Software ASA社CEOのJon S. Tetzchner氏
 Tetzchner氏によれば、Webブラウザには2つのカテゴリーがあるという。すなわち、Internet ExplorerやNetscapeのようにプログラムサイズが大きくパワフルなブラウザと、WAP携帯電話などで使う機能限定の組み込みブラウザだが、「Operaは、サイズは小さいが、機能は大きなブラウザとほぼ同じものを実装している」とアピールした。リリースされたばかりの「Opera 7.20」では、「Opera 1」とほぼ同じか、少ないぐらいのリソースで動作するという。

 ただし、「機能を限定したブラウザを開発するのは難しくない」として、Operaが優れているのは「W3C標準をサポートしながらそれを実現している」ことだと説明した。その一方で、「Webサイトの98%はW3C標準に従っていない」とし、「ブラウザベンダーとしてW3C標準をサポートしながらも、(W3C標準に従っていないサイトも表示できるよう)エラー補正機能にも力を注いできた」という。

 さらにTetzchner氏は、障害者を含むすべての人にWebへのアクセシビリティを提供することが、Operaの理念のひとつだと強調した。これは、通常はマウスで行なう操作を代替できるシングルキーのショートカット機能や、視覚障害者のためのズーム機能などに現われている。また、40言語以上のサポートもこの理念によるものだとしている。


携帯電話からiTVまでクロスプラットフォーム展開

 続いてOperaの強みとして挙げたのは、クロスプラットフォームである。Macについて「非常に重要なプラットフォーム」と強調したほか、デスクトップ以外にも携帯電話や双方向テレビ(iTV)などにもフォーカスしているとし、具体例として携帯電話向けのSymbian OS、フランスのCanel+ Technologies社が開発しているテレビ向けミドルウェアのMedia Highway、シャープのザウルスなどのプラットフォームを挙げた。

 このほか、Palmなどの他のOSについても検討しているほか、車載機や飛行機へ搭載する話も進んでいるという。なお、車載機などのプラットフォームでは、米IBMと共同で音声ブラウザの標準策定にも取り組みたいとしている。一方、日本においては、京セラがパートナーとなってμITORNへの移植を進めているほか、詳細はまだ公表できないとしながらも、iTV分野で日本のゲーム会社と技術レベルで検討に入っていることを明らかにした。

 このようなクロスプラットフォーム環境をサポートする上で避けて通れないのが表示の問題だが、Operaでは、Windows、Mac、UNIXで同じユーザーインターフェイスを実現しているという。さらに、「Small Screen Rendering」技術により、PC向けに作られたページをブラウザ側で携帯電話などの画面に合わせて再レイアウトできるようにしている。この機能は、デスクトップ版のOpera 7.20でも、Shift+F11キーを押すことで確認できるという。


カンファレンス会場には、Operaを組み込みブラウザとして搭載した携帯端末が展示されていた トランスウエアでは、OperaブラウザとブックマークなどのデータをUSBメモリでを持ち歩ける製品を予定しているという

関連情報

URL
  OPERAカンファレンスのお知らせ
  https://secure.transware.co.jp/opera/conference.html

アラビア語もサポートした「Opera 7.20」日本語版(2003/09/26)


( 永沢 茂 )
2003/09/26 20:44

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