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バーコードの国際機関がAuto-IDを実用化へ


(向かって左から)慶応義塾大学の村井純氏、Auto-ID CenterのKevin Ashton氏とSanjay Sarma氏、EPC global USのHenri Barthel Lulay氏、流通システム開発センターの坂井宏氏、経済産業省の新原浩朗氏
 Auto-ID Centerの研究・開発成果を継承し、「EPC(Electronic Product Code)システム」の実用化を推進する非営利法人「EPC global」が30日に正式に設立される。流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立し、EPCシステムの世界的な運用と普及を目指す。バーコードの国際標準であるEAN/UCCが採用したことで、Auto-IDは、デファクトスタンダードを目指していたこれまでの位置づけから、規格化された世界標準としての運用が見込まれることになる。

 EPCシステムとは、RFIDとインターネットを利用した電子タグの運用・管理システムで、バーコードに替わる流通コードとして想定されている。コード機関から割り当てられる企業番号とともに、商品番号とシリアルナンバーを無線タグに入力し、これをもとにネットワーク経由で商品データベースから属性情報などを得る仕組みだ。コード体系は当初64bitと96bitを基本としており、128bit、256bitも想定しているという。企業は、各国・地域の流通コード機関を通じて会費を支払い、EPC globalの会員となることで、EPCシステムが利用できるようになる。なお、日本では財団法人流通システム開発センターがEPC globalの窓口となることが決定している。

 Auto-IDはこれまで、MITや慶應義塾大学など大学を中心とした組織での研究・開発が行なわれてきたが、今後、Auto-IDの発番機能や企業番号を管理する中央データベースの運用は、EPC globalに移管されることになる。一方、Auto-ID Centerの従来の拠点は今後、Auto-ID Labsとして研究・開発を継続していく。

 27日に東京都内で開かれた記者会見では、Auto-ID CenterのエグゼクティブディレクターであるKevin Ashton氏や、日本における開発拠点である慶應義塾大学環境情報学部の村井純教授、流通システム開発センターの坂井宏専務理事らがコメント。コード体系や無線タグの周波数について、世界標準のものを利用することの重要性などを説明した。

 また、経済産業省商務情報政策局の新原浩朗氏は、EPCシステムは「国際的には、この1、2年で実用化に至るのではないか」との見方を示すとともに、日本においてRFIDのコード体系として提案されている経産省、ユビキタスID、Auto-IDという3つの方式も、バーコードにシリアルナンバーを追加するというEPC globalと同じコード体系を採用する点で方向性は一致していると説明した。


関連情報

URL
  Auto-ID Center
  http://www.autoidcenter.org/
  EPC global(英文)
  http://www.uc-council.org/epcglobal/
  関連記事:オートIDセンター日本拠点、慶應SFC内に開設
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0122/autoid.htm


( 永沢 茂 )
2003/10/27 20:21

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