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ICタグを取り付けた食器
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独立行政法人の産業技術総合研究所(産総研)は11日、ICタグを用いた「知識分散型ロボット制御システム」のプラントを開発し、システムの有効性を実証したと発表した。
知識分散型ロボット制御システムは、ICタグが付けられた物体ごとに、必要な情報を参照して、ロボットを制御する技術。ICタグには物体の製造元メーカーへアクセスできるネットワークアドレスが登録されており、ロボットに装備されたICタグリーダーで読み取ることができる。
実証プラントでは、こうしたICタグ技術やロボット制御技術のほかに、画像処理技術、ネットワーク技術などを活用して、ICタグ、ICタグリーダーなどのデバイスを、ネットワークでロボットに結合。さらに、ロボットに対して、任意に設置したICタグ付き食器の片付け作業を行なわせた。産総研によれば、「無造作に置かれた食器を自動で片付けるとともに、食器の種類などを識別しながら、ロボット動作計画を作成するシステムを構築し、有効性を実証できた」という。
また、システムについて、「従来、物体に対する知識は、それを操作するロボットのメーカーが提供するため、多数の物体が存在する人間の生活空間を認識して、作業手順を生成するのが困難だった。しかし、ICタグを利用することによって、物体の各メーカーが、その物体の操作方法などの知識をそれぞれ提供することになる」と特徴をコメント。「ロボットが行動する環境を工場のように整えられない、通常の生活空間において自律的に行動するロボットを実現できるようになる」としている。
産総研では今後、さらに一般的な環境で動作するロボットシステムの構築を試み、人間の生活環境内で自由に活躍するロボットの実現を目指す。なお、知識分散型ロボット制御システムは、2003年11月13日に産総研つくばセンターで開催される「産業技術総合研究所知能システム研究部門研究成果展示会-オープンハウス2003-」にて企業・大学関係者向けに公開する予定だ。
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実験風景
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テーブルの上には無造作に置かれた食器がならぶ
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天井カメラからの画像
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2003/pr20031111_2/pr20031111_2.html
知能システム研究部門研究成果展示会-オープンハウス2003-
http://www.is.aist.go.jp/exhibition2003/
( 鷹木 創 )
2003/11/11 20:49
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