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ACCSの久保田専務理事。セキュリティホールを指摘してきたのは「その筋では有名な人」だったという
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コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は12日、同協会が運営するWebサイトにおいて、1,100件以上の個人情報を第三者が入手できる状態にあったことを明らかにした。ACCSでは該当するページを閉鎖し、実際に外部からアクセスがあったかどうかなどを調査している。
問題があったのは、ACCSが運営するサイトのひとつである「著作権・プライバシー相談室~ASK ACCS」。サイト上の記入フォームから送信された相談内容や氏名、住所、職業などの個人情報が外部から入手できる状態にあったという。9日の12時ごろ、ACCSに指摘のメールが寄せられたことで判明した。メールに添付されていた個人情報が、ACCSの保有している情報と同一のものであることが確認されたという。
ACCSでは直ちに該当するページを閉鎖するとともに、データも削除。サーバー管理を委託しているレンタルサーバー会社にも連絡をとり、同16時30分ごろにはCGIプログラムが起動しないよう対策がとられた。11日夜には、質問を寄せていた人に対して説明とお詫びのメールを配信するとともに、Webサイトにも経緯の説明とお詫びの文章を掲載した。
ACCSによれば、原因はサーバーのCGIプログラムにセキュリティホールが存在したこと。ダウンロードした記入フォームのHTMLファイルを一部書き換えることで、蓄積されていた個人情報を含むログファイルをCGIに表示させることが可能だったという。
このCGIプログラムは、レンタルサーバー会社が以前提供していたもので、ACCSがASK ACCSを開設した2000年4月以降、同じ設定のまま使用されていたという。なお、レンタルサーバー会社では問題のあった旧バージョンはすでに8月にサポートを終了しており、現在提供するCGIプログラムはすべて新バージョンに切り替えられているとしている。
ACCSでは現在、個人情報を含むファイルに対して実際に外部からアクセスがあったかどうかを調査するとともに、漏えいした情報がネット上に公開されていないかどうかも調査している。ただし、ACCSでは今のところ、ネット上に個人情報が拡散している状況は確認していないという。
ACCSの久保田裕専務理事は12日に開かれた記者説明会で、「情報モラルを説く立場にあるにもかかわらず、自らの情報管理が徹底されていなかったことについて、遺憾であり、非常に重く受け止めている」とコメント。また、ASK ACCSではひやかしの相談を避ける必要性から、相談者と信頼関係を築くための担保として個人情報の提供を求めたと説明する一方で、「別の方法もあったのではないかと反省している」という。
なお、ACCSではPCソフトの違法コピーなどの告発を受け付けるサイトも運営しているが、こちらはサーバー管理会社が異なるために問題はないとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.accsjp.or.jp/release/031111.html
著作権・プライバシー相談室~ASK ACCS
http://www.askaccs.ne.jp/
( 永沢 茂 )
2003/11/12 21:02
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