英セキュリティベンダーのMessageLabsは、2003年の迷惑メールとウイルスに関する統計の総括を行なうと同時に、来年の予測される傾向を発表した。
発表によると、2003年において最も多くの被害をもたらしたウイルスは「Sobig.F」。MessageLabsでは、発生後最初の24時間でSobig.Fによる100万の感染を阻止した。ピーク時には阻止したメールのうち17通に1通がSobig.Fだったという。10月1日までの累計で約3,200万通を観測し、Sobig.Fが2003年最多のウイルスとなった。
さらに2003年5月には迷惑メールの全メール中に占める割合が初めて50%を超え、平均でも2.7通に1通が迷惑メールとなった。なお、2002年においては1秒当たり2通の迷惑メールにとどまっていた。
MessageLabsによれば、2003年においての迷惑メール被害拡大はSobig.Fと無関係ではないという。Sobig.Fが作り出したオープンプロキシサーバーを利用して多くの迷惑メールが送信されており、こうした迷惑メールは全体の3分の2に及ぶと推定している。
さらに、MessageLabsでは、2004年4月までにインターネットのメールトラフィックにおいて70%が迷惑メールで占められると推測。これは2003年に比べて55%の増加となり、今後は個人情報を狙うウイルスが増加するという。
個人情報を狙うウイルスは、2003年後半に入って複数の海外における銀行で詐欺まがいの迷惑メールやウイルスが見つかった。また、PayPalの顧客に対してクレジットカード番号や米国の社会保障番号などを詐取しようとする「Mimail.J」ウイルスも発見されおり、注意を呼びかけている。
関連情報
■URL
MessageLabs(英文)
http://www.messagelabs.com/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/12/09 13:33
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