|
東芝家電機器開発部長の北川晃一氏
|
三菱電機、東芝、シャープ、三洋電機の4社は17日、異なるメーカーの白物ネット家電を相互接続できる技術仕様「iReady」を発表した。接続に関する共通仕様を決定することで、異なるメーカー製家電製品間の互換性を確保。ネット家電の普及を狙う。
iReadyは、国内の情報家電用規格「エコーネット ver3.0」に準拠した接続仕様。「iReady家電」は専用の接続スロットを装備し、そこに通信用の「iReadyアダプタ」を接続する方式だ。技術仕様はオープン化する。4社では、iReadyの仕様を確定することで、メーカーの異なるネット家電の相互接続や、ネット配信サービス仕様の共通化を図る。共通化したネット家電を通じて、ホームセキュリティやヘルスケアなどのホームネットワークサービスを提供するという。
東芝家電機器開発部長の北川晃一氏は、「東芝では、Bluetooth内蔵のネットワーク家電『FEMINITYシリーズ』をすでに販売しているが、内蔵型は残念ながらコストが上昇する。コストを抑えて量産できるネット家電を目指すとアダプタ外付け型になる」と開発の経緯を語った。また、同社のFEMINITYシリーズに関して、「いずれiReadyに対応したモデルが登場する」と述べている。
|
|
東芝製の試作アクセスポイント
|
東芝製コントローラで、各社のエアコンを操作
|
|
三菱電機リビング・デジタルメディア事業本部住環境研究開発センター長の馬場文明氏
|
現時点では、iReady家電やiReadyアダプタの価格は未定。三菱電機リビング・デジタルメディア事業本部住環境研究開発センター長の馬場文明氏によれば、「少なくとも内蔵型ネット家電よりは安く提供する。また、アダプタも量産するようになれば1個1万円以下になるのではないか」と予想している。
iReadyがサポートする通信方式は、Bluetoothや無線LAN(IEEE 802.11b)などを予定。馬場氏は、「通信機能を外付けにすることで、Bluetoothや無線LANだけでなく、特定小電力無線や将来出現する新しい規格にも対応できる」と拡張性について言及。アダプタに搭載する通信モジュールについては、「現在市場に出回っているものを安価に利用したい」とコメントし、アダプタ自体の大きさについては、「CFカード程度の大きさになるが、装着方法において防水などの技術的な問題もあり、まだ決定していない」と述べた。
4社では、2004年の早い時期にもiReady対応製品を出荷する予定で、2004年内には4社の生産するエアコン、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機の主要4品目で5%がiReady家電になる見込み。予想では、2010年においてiReady家電は4社の主要4品目の60%を占めるとしている。
今回の共同発表の経緯にも触れ、「内蔵型では普及しない。アダプタ型を開発しなければと思っていたところ、他社でもそのような動きが見えたので声を掛け合った」(馬場氏)という。今後は、ネット配信に関する仕様を策定すると同時に、エコーネットに参加する松下電器産業、日立製作所などや、海外のメーカーにもiReadyへの参加を呼びかける方針だとしている。
|
|
こちらはタブレットPC版コントローラ。無線LANで接続する
|
エアコンのそばにある緑の基盤が「iReadyアダプタ」。まだ、試作段階のため基盤がむき出しになっている
|
|
|
“iReady”の由来を説明
|
将来的には4社の販売する主要家電4品目で60%を「iReady家電」が占めるという
|
関連情報
■URL
ニュースリリース(東芝)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2003_12/pr_j1701.htm
関連記事:日立、エコーネットに準拠した情報家電用システム「ホラソネットワーク」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/11/1455.html
関連記事:三菱電機、ネット家電に各通信規格に対応するアダプタ方式を採用
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/21/208.html
関連記事:松下、ネットから遠隔操作が可能な洗濯機、冷蔵庫、オーブン
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0716/kurasi.htm
関連記事:東芝、Bluetooth搭載のネットワーク家電を発表
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0205/blue.htm
( 鷹木 創 )
2003/12/17 19:40
- ページの先頭へ-
|