オランダ最高裁は19日、P2Pファイル交換ソフト「Kazaa」を公に配布する行為が合法であるとの判決を下した。一国の最高裁がファイル交換ソフトの配布行為を合法と認めたのはこれが初めてで、EUや米国のファイル交換ソフト業界と音楽業界に大きな影響をもたらす判決だ。
この裁判は、オランダの音楽団体であるBuma/Stemraが著作権侵害でKazaaを提訴していたもの。すでに2002年3月にアムステルダム控訴審裁判所でKazaaを配布することの合法性自体は認められており、今回のオランダ最高裁の判決は控訴審判決を追認するものとなる。
しかしながら、Kazaaを配布すること自体は合法であっても、一個人がファイル交換ソフトを利用して音楽著作権を侵害する行為を行なった場合については、控訴審判決でも最高裁判決の中でも見解を述べることは差し控えている。一方、米国では全米レコード協会(RIAA)が違法なファイル交換を行なった数百人の個人を対象に訴訟を起こしている経緯がある。オランダ最高裁の判決は、個人の違法行為はともかくとして、音楽団体がソフトウェアプロバイダの権利まで奪うことはできないとしたものと言える。
Kazaaの創業者であるNiklas Zennstrom氏とJanus Friis氏は、この判決を「インターネットの進化と一般消費者にとっての歴史的な勝利だ」とコメントした。
関連情報
■URL
Kazaa
http://www.kazaa.com/
関連記事:P2Pファイル交換の「KaZaA」がオランダ音楽業界に勝訴
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0329/kazaa.htm
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/12/24 10:53
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