米Apple Computerは6日、Mac OS X用のクラスタリングソリューション「Xgrid」を発表した。デスクトップやノート、サーバーなどネットワーク上のMac OS Xマシンを活用してグリッドコンピューティング環境を構築できるもので、同社Webサイトでベータ版ソフト「Xgrid Version 1.0(Technical Preview)」の無償ダウンロード配布を開始した。Mac OS X 10.2.8以上に対応する。
Xgridは同社のAdvanced Computation Group(ACG)が開発した技術で、ネットワーク技術「Rendezvous」を採用することで、容易にクラスタリングを行なえるようにした。タスク処理に使用可能なMacを自動的に検知・接続して管理するため、IPアドレスを手動で入力するといった設定が不要だという。Appleのワールドワイドプロダクトマーケティング担当上級副社長であるPhilip Schiller氏は、「Xgridを使えば、所有している複数のMacを簡単にスーパーコンピュータに変えることができる」とコメントしている。
Xgridは、使われていないMac上でスクリーンモードで動作するほか、グリッドのタスク処理用のMacを用意することで、大きな処理能力を必要とする解析などに利用できる。例えば、同じく6日に発表されたサーバー製品「Xserve G5」を42台使って最大84個のPowerPC G5プロセッサをクラスタリングすることで、1.5T FLOPS(浮動小数点演算を1秒間に1兆5,000億回実行する処理速度)の処理能力を持ったシステムを構築できるという。
Xgridのダウンロードパッケージには、解析アプリケーションなどをXgridに移植するための開発キットが付属しているほか、遺伝子配列解析アプリケーション「BLAST」もビルトインサポートしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.apple.co.jp/news/2004/jan/07xgrid.html
製品紹介(英文)
http://www.apple.com/acg/xgrid/
( 永沢 茂 )
2004/01/07 16:16
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