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光通信市場、2005年にPON市場は550億円規模に~矢野経済研究所予測


 矢野経済研究所は15日、光通信市場に関する調査結果を発表した。2002年度にFTTHサービス低額化のために、1本の光ファイバを複数の加入者で共有するPON需要が出始め、約127億円となったという。PON市場は2003年度以後も順調に伸び、2003年度には172億円、2005年度には550億円規模になると予測している。

 調査は2003年10月から12月にかけて、通信キャリアや光通信関連機器および部品メーカーを対象に、面接取材を中心として行なわれた。調査結果によれば、2004年度にはFTTH加入者密度の高まりが予想され、PON市場は一気に2003年度見込みの172億円から一気に320億円程度まで拡大するという。PONは、光ファイバ網の途中にスターカプラ(光スプリッタ)と呼ばれる分岐装置を設置し、1本の光ファイバを複数の加入者宅に分岐して引き込む技術を指す。FTTHサービスのうち、NTT東のBフレッツ ニューファミリープランなどに代表される、複数ユーザーで1本の光ファイバを共有する接続プランでPONによる分岐が採用されている。

 光メディアコンバータ市場については、2001年度にはFTTH加入者数が少なかったことから、初期投資のかさむPONではなく光メディアコンバーターの設備投資が進んだが、今後需要の中心はPONに移行し、成長はやや鈍化すると予測。市場規模は2004年度に前年比122%の150億円、2005年度も前年比123%の185億円程度になるとしている。

 世界で日本が最も発展していると言われるCWDM市場については、市場規模はDWDM市場と比較して小さいものの、順調に増加傾向にあると分析。2002年度に約30億円だったCWDM市場は、2003年度に前年度比164%の50億円となる見込みだという。2004年度は70億円、2005年度は90億円とその後も順調な伸びが予測されている。

 CWDMは、Coarse Wavelength Division Multiplexing(低密度波長分割多重)の略称。おもに長距離で利用される、DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing:高密度波長分割多重)光ファイバ技術と比べ低コストでネットワークが構築できる。1芯・2芯に対応し、1000BASE-SX/LX、OC-3/12/48、FiberChannelのインターフェイスをサポート。低コストで最大8チャンネルの多重化が可能だ。こうしたことから、高速で低コストなブロードバンドサービスへの需要が高まるとともに、中・短距離のネットワーク向けとして注目されつつある。

 なお、矢野経済研究所では調査結果を「光通信ビジネス産業年鑑 2004年版 ~FTTHが光通信市場を救う~」と題したA4判192ページの冊子にまとめ、136,500円(税込)で販売する。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.yano.co.jp/press/2004/040115.html


( 工藤ひろえ )
2004/01/15 18:15

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