NTTデータ、丸紅、マルエツの3社は23日、2003年9月から11月にかけて実施した食品流通分野における無線ICタグ(RFID)実証実験の結果概要を発表した。スーパーの店頭端末で1日200件以上もRFIDを貼付した商品の情報が照会され、食品の安全性に対する情報ニーズの高さがうかがえる一方で、物流の効率化という観点からはタグの一括読み取りなどに課題が残る結果となった。
実験は、9月23日と24日の2日間が物流センターでの実験、10月6日から11月23日の49日間が生産者から店舗まで通じた実験。30種類の生鮮食品と47種類の加工食品を対象に、43,366枚のタグを使用。実験店舗となった東京都江東区にあるマルエツ潮見店にはRFIDリーダ付きの店頭ディスプレイが設置され、商品に貼付されたタグをスキャンすることで消費者が詳しい商品情報を閲覧できるようにした。
店頭ディスプレイでは、合計10,675回の利用があった。99人の実験モニターだけでなく一般消費者からも幅広く利用されたとしており、産地・製法、安全性、環境・企業といった項目への関心が高かったという。
一方、物流センターでの読み取りや情報記録、商品の所在のトレースなどについても概ね問題なく、店舗における商品陳列や棚卸し、レジ精算への活用についても実用化の目処が得られたという。ただし、商品へのタグの貼付方法や店舗の環境などに左右されることが判明。また、実験では13.56MHz帯の電磁誘導方式のRFIDが採用されたが、小分けに梱包された商品などでは入出荷時にケースごと一括でタグを読みとる場面で課題が残ったとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.nttdata.co.jp/release/2004/012300.html
関連記事:マルエツら3社、食品流通分野における無線ICタグの実証実験
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0424/ictag.htm
関連記事:NTTデータと丸紅など、スーパーのマルエツでRFIDのフィールド実験
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/19/524.html
( 永沢 茂 )
2004/01/23 19:07
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