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公的個人認証サービススタート~一部で電子証明書が発行できない不具合も


スタッフの提出した電子証明書発行申請書(足立区)。右下に「エラー発生のため返却」とある
 インターネットを利用したオンライン申請に利用できる公的個人認証サービスが全国でスタートした。電子証明書の発行料は1回500円(有効期間3年間)だが、3月31日まで無料で申し込める。

 公的個人認証サービスは、各行政機関の提供するオンライン申請サービス向けに、地方自治体が住人の本人証明手段となる電子証明書を発行するというもの。電子証明書は、住民基本台帳のICカード(住基カード)内に格納される。本日から申し込みが開始されたが、実際に利用できるオンライン申請はまだなく、2月2日から名古屋国税局管内(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県)の納税者を対象にしたオンライン国税申告サービス「e-TAX」が最初の対応サービスになる。

 電子証明書は各自治体の役所で発行されるが、サービス初日の29日は混乱もあった。東京都庁総務局によれば、足立区と新宿区でシステム障害や通信障害による不具合が発生し、13時現在電子証明書が発行できない状況を把握しているという。「いずれも原因を調査しているところだ」と前置きした上で、「全国自治体のシステムを委託運用する財団法人自治体衛星通信機構(Lascom)の『公的個人認証サービスセンター』では特に障害は発生しておらず、おそらく区役所側の庁内LANなどが原因だろう」と推測。Lascomでも「朝の時点ではトラフィックが増加したが、現時点では落ち着いた状態だ。初日ということで、窓口も混乱しているのではないか」としている。

 なお、29日時点では公的個人認証サービスを提供しない長野県では、「総務省に対してシステムのセキュリティに関する疑問点を提出し、回答を得た」とコメント。回答の詳細については明らかにしていないが、「住基ネット同様、個人情報保護の観点から、長野県本人確認情報保護審議会での審議を尊重し、県としての方針を打ち出したいと」としている。


関連情報

URL
  公的個人認証サービスポータルサイト
  http://www.jpki.go.jp/
  公的個人認証の開始(総務省)
  http://www.soumu.go.jp/c-gyousei/kojinninshou.htm
  国税電子申告・納税システム(e-Tax)
  http://www.e-tax.nta.go.jp/
  自治体衛星通信機構
  http://lascom.or.jp/www/splash.html
  公的個人認証制度に関する長野県の見解
  http://www.pref.nagano.jp/kikaku/jousei/happyou/koutekik.htm
  関連記事:ビックカメラ、公的個人認証サービスの体験コーナーを開設
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/28/1890.html
  関連記事:東京都、住基カードを利用した電子証明書を都民向けに29日提供
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/23/1851.html
  関連記事:「住基ネット侵入実験」をめぐる総務省と長野県の知られざる暗闘
  http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/jiken/2004/01/21/


( 鷹木 創 )
2004/01/29 14:11

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