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日本ベリサイン決算、上場後初めての業績は好調

~コンシューマ層の拡大を目指す

川島昭彦代表取締役兼CEO
 日本ベリサイン株式会社は13日、2003年12月期の決算発表を行なった。売上高は42億5,200万円(前年同期比23.4%増)、当期純利益は4億1,300万円(前年同期比52.3%増)だった。2004年度通期の業績予想では、売上高51億1,000万円(20.2%増)、当期純利益5億1,700万円(25.2%増)が見込まれている。

 日本ベリサインは、2003年11月19日に東証マザーズに上場した。2000年度には単年黒字化を達成し、2003年度に累損を一掃している。2003年12月期の事業別売上高では、サーバーに対する電子証明書の発行事業であるマスマーケット事業が26億1,400万円(前年同期18億6,500万円)、企業に対する電子認証局のアウトソーシングサービスであるエンタープライス事業が15億3,500万円(前年同期14億7,700万円)だった。

 マスマーケット事業の動向としては、2003年度のサーバーID発行枚数が2万8,700枚(対前年成長率30%)に達した。川島昭彦代表取締役兼CEOは、国内DSLユーザー数が1,000万人を超えたことや、JPドメインが54万件となったことを例に挙げ、「インターネットの使われ方は、今後より一層、生活やビジネスに密着したものになっていくだろう。マーケットのポテンシャルは大きい」とコメントする。

 エンタープライス事業では、ユーザー層をセキュリティに対する意識の高さで区分けしている。最もセキュリティに対する意識が高い層とされているのは、銀行や証券会社などの金融機関系ユーザーで、現在のベリサインの顧客構成の中でも大きな比率を占めている。次にセキュリティ意識の高いレイヤー、主に業務でインターネットを利用している製造業や建設業、医薬業など一般企業では、例えば社員証や電子入札といった分野で利用されている。そして最もユーザー数が少ないレイヤーは、コンシューマ層となっており、「この分野はまだまだこれからのレイヤー」(川島社長)と捉えている。今後、携帯電話などのインフラとパートナーシップを結び、「マーケットとしてのポテンシャルは1番大きく、拡大させていきたい」としている。


 主な採用例として、UFJ信託銀行の株式総会インターネット議決権行使システムが紹介された。データ送信の安全性や内容の信頼性を確保するためにPKIが採用されており、UFJ信託銀行以外にも高島屋、ソニー、富士通、KDDI、NTTドコモ、NTTデータなど十数社で実施された。日本ベリサインも3月に開催予定の株主総会で実施することになっている。

 一般企業での採用例としては、建設業界の電子商取引システム「CEC.COM」や、帝国データバンクによる電子入札のための電子認証サービスなどが紹介された。CEC.COMは、「IT一括署名法」施行を受けて可能となった電子契約サービスを開始しており、電子契約による業務の効率化や、印紙税のコスト削減などが期待されている。一方、帝国データバンクの電子入札システムは、政府指定の認証局となっており、国土交通省主導の「電子入札コアシステム」や総務省の「電子申請・届出システム」に対応している。

 コンシューマレイヤーへの展開としては、携帯電話にUIMチップを搭載したものが販売を開始しており、今後、携帯電話キャリアによるPKIによる認証サービスが期待される。主な想定利用例としては、強固なセキュリティによる自社イントラネットへのサインオン、社外からスケジューラや勤怠管理といった業務アプリケーションの利用、モバイルからの金融決済や会員証などのサービス利用などが挙げられた。


セグメント別売上推移 マスマーケット分野の動向

関連情報

URL
  ニュースリリース(PDF)
  http://www.verisign.co.jp/corporate/releases/20040213a.pdf


( 岡田大助 )
2004/02/13 20:49

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