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KDDI、IPベースで放送素材を蓄積・伝送するテレビ局向けシステム


 KDDIは17日、IPネットワークを活用して放送事業者間で放送クオリティの映像素材を共有するためのシステム「VAST-web(Video & Audio Storage Transmission system web version)」を2004年度中にも商用化すると発表した。2003年4月から7月にかかけて独立UHF局5社を接続して映像伝送実験を行ない、良好な結果が得られたという。

 実験にはテレビ埼玉、千葉テレビ放送、岐阜放送、京都放送、サンテレビジョン(兵庫県)が参加した。各局の拠点に設置した「VAST-ip」サーバーに映像素材を蓄積し、これらをKDDIのデータセンターに用意したデータベースで一元管理する仕組みで、各局からはWebブラウザを使って必要な映像素材を検索し、IPネットワーク経由で他局のサーバーからダウンロードできる。VAST-ipは、蓄積した映像のサムネイル画像を生成し、タイトルや内容、フォーマット、時間などのメタデータとともにKDDIのデータベースに転送するようになっている。これまで同様のシステムを運用するには専用線のコストがかかり、一元管理も難しかったという。

 実験では、各局へのアクセス回線として最大100MbpsのBフレッツ回線を使用した。ネットワークの混雑状況にもよるが、標準テレビ放送用の4~6MbpsでエンコードされたMPEG2ファイルを伝送するにあたって、ベストエフォート環境でも実用性が確認されたとしている。なお、伝送にはKDDIの開発した独自プロトコル「SVFTP(Swift Very large File Transfer Protocol)」を用いており、通常のFTPに比べてデータ伝送の高速化が図られているとともに、中断時の転送再開機能も備えている。

 さらにこのシステムでは、VAST-ipと同等の機能をノートPCで提供するWindows用ソフト「VistaFinder」も用意しており、取材先からでも無線LANやモバイル回線経由で映像素材を伝送することが可能だ。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2004/0217a/index.html
  VAST-web
  http://viscom.kddilabs.jp/vast_web.html


( 永沢 茂 )
2004/02/17 20:13

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