米Yahoo!は2日、同社がGoogleの代わりに導入した新しい独自検索技術(Yahoo! Search Technology)の品質と量を向上するため、新サービス「Content Acquisition Program(CAP)」を開始すると発表した。
CAPは、これに参加する団体が具体的なWebページのURLを提出することによってYahoo!のインデックスに登録され、コンテンツの内容によって適切な検索結果に表示させることができるサービスだ。非営利的なコンテンツと、商用コンテンツの双方にサービスが提供される。
商用コンテンツの場合は、米Yahoo!の完全子会社である米Overtureが、このプログラムの1つとして「Site Match」と名付けられた新しいペイドインクルージョンサービスを開始した。ペイドインクルージョンとは、指定したWebページを料金を支払ってインデックスに登録するサービスのこと。このサービスを利用することでインデックスのアップデート頻度が高くなり、コンテンツ内容に応じて検索結果が適切に表示されるようになる。
非営利コンテンツ用には「Public Site Match」というサービスが開始された。このサービスには政府や学術機関、その他の非営利団体が対象となっており、この発表に伴って米国の公共放送であるNational Public Radioのニュース、2,000時間もの最高裁のオーディオ録音を含むノースウェスタン大学の「OYEZプロジェクト」、世界最大の図書館である米国議会図書館などとの提携が発表された。これにより、これまでサーチエンジンに含まれておらず、各サイトにアクセスしてデータベースを検索しなければならなかったコンテンツがYahoo! Searchの検索で表示されるようになる。
CAPについて米Yahoo!サーチ担当副社長のTim Cadogan氏は、「我々の主要な目標は、Web上のすべてのコンテンツを無料で発見できるようにすることにある。それに加えて、CAPはほとんどのサーチエンジンがこれまで達成できなかった方法で、ユーザーがより豊富なコンテンツのセットにアクセスできるようにする」とその意義を強調している。
ペイドインクルージョンに関しては、今やビジネスで不可欠な存在となったインターネットでは必要だとする考えと、有料で登録されたサイトと無料で登録されたサイトとの間の扱いに差異が生じるため、公共性の高いサーチエンジンにふさわしくないという考えがあり、しばしば議論の対象となっている。なお、サーチエンジン最大手米Googleはペイドインクルージョンを採用していない。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://docs.yahoo.com/docs/pr/release1144.html
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・ 米Yahoo!、独自の検索技術に軸足を移し、Googleを外す(2004/02/19)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/03/03 11:54
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