総務省は、「平成15年度電気通信事業分野における市場の現況-インターネット接続領域/企業内ネットワーク領域-」を発表した。2003年11月に策定した「電気通信事業分野の競争状況の評価に関する基本方針」などに基づいて収集したデータを整理したもので、総務省のWebサイトで閲覧できる。
収集したデータは、サービスを提供する事業者側からの情報と、サービスを利用するエンドユーザーからの情報の2つに大別。事業者側の情報では、ISDN・ADSL・FTTH・CATVなどの各契約者数をはじめ、各方式ごとの普及率やNTTグループのシェアなどをレポート。FWAや携帯電話・PHSの契約者数推移などにも言及している。また、インターネットバックボーンへ接続する“一次プロバイダー”として、NTTコミュニケーションズやKDDI、IIJなど数社を挙げ、これら一次プロバイダーは米大手ISPのTier1からのトランジットを受けていることについても掲載。ISPの多くがNTTグループの設備に依存していると回答した点や、IX接続が東京に集中していること、NTT東西によるコロケーション提供の状況なども掲載している。
エンドユーザー側の情報では、収集したデータをさらに個人ユーザーと企業ユーザーの2つに分類した。個人ユーザーの情報では、インターネットの接続時間や接続回線の種別、居住地域、インターネットの目的などを掲載。ADSLにおける局舎距離と実行速度や、契約時の名目速度と実効速度のサンプル分布図なども掲載している。事業者選択の重視事項では、ADSLユーザーは廉価性を、FTTHユーザーはサービスの質を重視する結果になった。また、不満があるにも関わらず変更したくない理由として、ADSLユーザーは料金の安さを、FTTHユーザーはサービス導入間もないことなどを挙げている。また、ダイヤルアップなどのナローバンドユーザーは、1年後に利用したいサービスとしてADSLを挙げた。理由としては料金や通信速度。このほか、事前説明との食い違いなどについての調査を掲載している。
企業ユーザー側の情報では、現在主に用いているサービスや、そのサービスの導入時期、今後利用が見込まれるサービスなどについてのデータを掲載した。現在主に利用されているサービスは、IP-VPNや専用線サービス、フレームリレーなど。今後利用が見込まれるサービスとして、IP-VPN、広域イーサネット、インターネットVPNを挙げている。
総務省によると、こうした調査を元にデータを集約することは初めての取り組みだという。同省では、調査によってインターネット関連の市場を客観的に把握できるとし、今回のデータを基に、2003年度の競争評価結果を取りまとめる予定だ。
関連情報
■URL
報道資料
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040420_1.html
電気通信事業分野における市場の現況
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/denki_ichiba/h15_ichiba.html
競争評価サイト
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/kyousouhyouka.html
( 鷹木 創 )
2004/04/20 19:56
- ページの先頭へ-
|