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古川享執行役最高技術責任者
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マイクロソフトは22日、同社の古川享執行役最高技術責任者による報道関係者向けセミナーを開催した。
マイクロソフトでは、古川執行役をリーダーに笹塚本社内に技術企画室を2004年2月に設置した。同氏は、「これまでは米Microsoftのバイスプレジデントとして米国での活動を主にしてきた。『古川は日本のマイクロソフトを、もう辞めてしまったのではないか?』と尋ねる方もいるが、2004年は日本に本拠地を定めて活動する」という。最高技術責任者として、ITを通じた日本社会への貢献や、政府や自治体、教育機関との連携を図る一方、技術企画室のリーダーとしても、知的財産の運用方法やアクセシビリティなどについて研究を深めるとしている。
具体的には、「社内だけでなく社外の知的財産に対してもクロスライセンス契約を結んで紹介する」「操作方法やデータのやり取りなどに互換性を持たせ、コネクタやプロトコルを気にせず利用できるようにする」「障害を持つユーザーにとっても使いやすい製品を開発する」ことなどを挙げた。
このほか、大学などの教育機関と産学連携も進める。3月30日からは早稲田大学でセキュアなプログラムの書き方を講義していることに触れ、「産学連携であるとともにマイクロソフトの提唱する『Trustworthy Computing』の一環でもある」と述べた。
古川執行役以外の技術企画室スタッフは、東貴彦執行役最高セキュリティ責任者をはじめ、技術戦略を担当する半田晴彦主席研究員、産学連携担当の木戸冬子氏、アクセシビリティ担当の芦立礼子氏と細田和也氏の6名。
「『マイクロソフトは、製品は有名だが会社としての顔が見えなくなっている』という指摘を受けた。社内には優秀でも埋もれている人材がいるので、そうした社員を発掘することも私の役目」とコメント。また、「PCは、“権威的な”メインフレームとは異なり、コミュニケーションなどのパーソナルコンピューティングを行なうもの。パーソナルコンピューティングを通じて“喜び”を共有できるようイノベーションを推進する」と抱負を語った。
質疑応答では、2月26日の公正取引委員会による立ち入り検査に話が及んだ。古川執行役は「問題になったメーカー各社との契約には、『製品に特許関連の問題が起きた時、訴訟を唯一の問題解決手段にしないように要請する』という条項が入っていた。サブマリン特許の問題もあり、平和裏に解決したいという意思表示のつもりだった」とコメント。「だた、立ち入り検査時には、契約相手に『訴訟するな』という意味に受け取られるのは本意ではないので改正を進めていた最中だった」と述べた。
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左から、木戸冬子氏、東貴彦執行役、古川享執行役、半田晴彦主席研究員、芦立礼子氏、細田和也氏
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関連情報
■URL
マイクロソフト
http://www.microsoft.com/japan/
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・ 公取委、マイクロソフトに立ち入り検査(2004/02/26)
( 鷹木 創 )
2004/04/22 15:38
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