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BBTVのサービスロゴ。光の3原色である赤・緑・青があしらわれている
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ビー・ビー・ケーブルは26日、同社が運営するYahoo! BB向けの映像配信サービス「BBケーブルTV」について、6月1日よりサービス名称を「BBTV(ビー・ビー・テレビ)」に変更し、サービスメニューをリニューアルすると発表した。あわせて、7月1日よりNHKが放送したテレビ番組をビデオオンデマンド(VOD)配信する商用トライアルも開始される。
6月1日からのリニューアルに伴い、ビー・ビー・ケーブルでは料金体系の見直しとチャンネル数の追加を実施。料金面では、月額料金2,625円に含まれていたベーシックチャンネル視聴料(2,100円)をオプション化し、基本料金を月額525円とする。基本料金には、「ショップチャンネル」と「BBTVプロモーションチャンネル」の視聴料とセットトップボックス(STB)レンタル料、番組ガイド誌代が含まれている。
また、VODサービス「電子レンタルビデオ」で提供中の映画やアニメなど各種タイトルの視聴料金についても、平均で30%程度値下げが実施される。同社によれば、今回の値下げはユーザーアンケートの結果に加え、レンタルビデオ市場の実勢レンタル価格を踏まえて決定したものだという。
一方、チャンネル拡充面では、ベーシックチャンネルの番組数を7月までに現行の21番組から25番組へ、電子レンタルビデオでは2004年初夏までに現行の2,600タイトルから3,000タイトルまで拡充する。
同社ではあわせて、6月10日から8月31日までの期間で先着4万名を対象に「BBTVビデオもテレビも無料!キャンペーン」を実施する。キャンペーンでは、加入契約料10,290円と2004年末まで月額料金525円が無料に、視聴開始日から2週間の期間でベーシックチャンネルと電子レンタルビデオ(一部タイトル除く)も無料で視聴できる。このほか、STB設置の出張サポートも無料で提供される。
なお、今回のサービス名称変更に伴い、サイトURLも従来の「http://www.bbcable.tv/」から「http://www.bbtv.com/」へと変更される。
● NHKの番組配信トライアルでは約200タイトルを用意。料金は150円から
あわせて発表された、NHKのテレビ番組をVDO配信する商用トライアルについては第1回目が7月1日から9月30日までの期間で実施され、視聴料金は1タイトルにつき150円から290円。また、2004年内に第2回目の商用トライアルも予定されている。
今回の商用トライアルでは、約200タイトルをVODサービス「電子レンタルビデオ」を通じて順次配信する。主な番組としては、ドキュメンタリー「プロジェクトX」「その時 歴史が動いた」、ドラマ「大地の子」「なぞの転校生」、人形劇「ひょっこりひょうたん島 アラビアンナイトの巻」のほか、バラエティ番組や趣味・実用番組など16番組以上の配信が予定されている。
NHK番組をVOD配信する商用トライアルについては、KDDIの「光プラスTV」やジュピターテレコムの「J-COM Broadband」でも、7月よりサービスが開始される。
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ベーシックチャンネルの拡充について。6月1日からは「ディスカバリーチャンネル」と「LaLaTV」が追加される
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VODタイトルでは、NHKの番組に加えて、過去のオリンピック映像やセリエAのハイライトシーンも配信される
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VODサービスの新料金体系
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値下げにより、VODサービス全体の売上額上昇を見込む
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発表会場となったSHIBUYA BOXXとSHIBUYA-AXのスポンサードも発表され、音楽ポータルの立ち上げも検討されている
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SHIBUYA BOXX
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● 2005年の全国展開を目指し、パックメニューやオンラインゲームも提供
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代表取締役社長の橋本太郎氏
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ビー・ビー・ケーブルでは、サービス拡充にあわせて説明会を開催。同社代表取締役社長の橋本太郎氏や取締役事業統括の楜澤(くるみさわ)悟氏らが出席した。
橋本社長は説明会の冒頭で、NHKの番組がVOD配信される点について、「クオリティあるコンテンツを安心して提供できるサービスとして、VODサービスが認知され始めた証拠」と説明した。さらに、VOD配信のメリットとして各コンテンツごとの視聴動向が把握できる点をあげ、「(トライアルを通じて)NHKとともに可能な限り、様々な検証を行なっていきたい」とした。
また、サービスエリアに関しては、現在の1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)から、2004年内に大阪府や愛知県などの主要都市へと拡大。その後、2005年には全国展開を視野に入れたエリア拡大を行なっていくという。
橋本社長はまた、今後のサービス拡充についても説明した。具体的にはジャンルごとに定額料金で視聴できるパックメニューのほか、ニュース番組と連動した「News-on-demand」の商用実験、ビデオストリーミングによるオンラインゲームなどの提供を予定しているという。
説明会では、光ファイバを利用したマンション向けインターネット接続サービスに対応したBBTVの実験サービスを現在東京都内で実施していることも明らかにされた。これは、ソフトバンクBBが試験サービスを行なっている個人向け光ファイバーサービスの回線を利用したサービス。ただし、詳細については「インフラを選ばないで、BBTVを提供できる一例」との説明に留まった。
このほか橋本社長は、同社のBBTVを含めた有線役務利用放送事業者について、著作権法的には無断複製などの恐れがあるインターネット放送と同じ位置づけとなっている点を指摘。現状では、放送番組を配信する場合に、個別に許諾を取り直す必要があるなどの問題点を挙げ、「著作権上においても有線放送として解釈されるべき」として、関係省庁に対してパブリックコメントを提出したことを明らかにした。
なお、地上デジタル放送などをはじめとした番組再送信に関しては、「NHKや民放各社などと引き続き交渉を行なっている段階」(楜澤取締役)という。
続いて、楜澤氏がサービスメニューのリニューアルについて説明を行なった。同氏は、「ベーシックパックをオプション化したことで加入時のハードルが下がり、ユーザーの間口を広げることが可能になった」とコメント。今後は同じソフトバンクグループのソフトバンクBBが提供する「Yahoo! BB」サービスとあわせて、ARPU(顧客当たり平均収入)を拡大していきたい考えを示した。
また、6月10日より実施するキャンペーンについては、「家電量販店やYahoo! JAPANのWebサイトなど様々な販路で加入を促進し、ソフトバンクグループの総力を挙げてBBTVの販売体制構築する」という。その上で、現在数千名程度に留まっている加入者数を、キャンペーンの対象人数を合算した「4万数千人にまで持っていきたい」とユーザー数の目標数値を挙げた。
このほか楜澤氏は、現在BBTVが対応していない下り最大45Mbpsの「Yahoo! BB 45M」ついても、「早期に対応を実現したい」と語った。
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提供を予定するサービスについて
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ジャンル別のポータルサイトも用意される
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ビデオストリーミングによるオンラインゲームは、ソフトバンクグループが買収したフィンランド・G-Cluster社の技術を利用する
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PC上ながらオンラインゲームのデモも実施
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著作権法上の課題に関する同社の主張と、解決後の効果
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説明会では、BBTVなどのサービスが政府のe-Japan戦略に合致している点も強調された
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関連情報
■URL
ニュースリリース(サービスリニューアルについて)
http://www.bbcable.tv/info/press20040526_main.html
ニュースリリース(NHK番組のVOD配信について)
http://www.bbcable.tv/info/press20040526_2_main.html
BBTV(6月1日より)
http://www.bbtv.com/
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( 村松健至 )
2004/05/26 21:08
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