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日本テレコムの宮川潤一取締役
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日本テレコムは15日、12月から開始する固定電話サービス「おとくライン」の新料金体系を発表した。月額基本料金を50円値下げしたほか、従来の料金体系を「Aプラン」とし、全国一律の通話料を実現した「Bプラン」を追加した。AプランからBプランへは無料で移行できる。
今回の新料金プランでは、NTT東西よりも月額料金が最大250円安価になった。アナログ回線(1回線)の場合、契約者回線数が40万以上の「3級取扱所」では事務所用が2,467円、住宅用が1,575円。5~40万までの「2級取扱所」では事務所用が2,310円、住宅用が1,417円、5万以下の「1級取扱所」では事務所用が2,152円、住宅用が1,417円となる。通話料は事務所用が市内・市外問わず全国一律3分8.2円。住宅用では市内が3分8.2円、市外が3分15.6円の一律料金となる。Aプランでは月額409円必要だったプッシュ回線も標準サービスとなっている。
ただし、BプランにはAプランで適用される「一般加入電話の電話番号3つまでの通話料金が1年間無料」「特定の時間帯による通話料金9割引」「付加サービスの新規工事費と最大3カ月の月額料金、新規申し込みの際の日本テレコム工事費用が無料」などのキャンペーンは付属しない。
なお、同日発表されたKDDIの「メタルプラス」の基本料金は局舎に関わらず、法人向けが2,520円で住宅向けが1,575円。通話料は法人向けが全国一律3分8.4円、住宅向けが市内3分8.4円、市外3分15.75円。KDDIのメタルプラスは独自IP網を利用することで低料金化を実現しているのに対して、日本テレコムのおとくラインでは同社の従来の回線網を利用して提供するという。
日本テレコムの宮川潤一取締役は、「レガシーな設備にソフトバンクのテクロノロジーを付加することで、ここまで安くできた」とコメント。また、「NTTの固定回線と同様のサービスレベルを提供できるまでは回線のIP化は行なわない」とし、「現在BBフォンでは、NTT固定網と同等のサービスが可能で、輻輳制御なども行なえるよう交換機をバージョンアップする予定で、技術的な状況が整えばおとくラインでもIP化も進めていく」と述べた。
このほか、独自IP網を利用するKDDIのメタルプラスについては、「IP電話は相互接続に問題がある」と指摘。「KDDIは、現在のところ相互接続の問題を解決しておらず、(メタルプラスを)IP電話として提供するつもりなのか、通常の固定電話として提供するつもりなのかよくわからない」と疑問を呈した。また、メタルプラスとの価格差については、「まずは横並びでも構わないから、複数事業者でNTTに対抗できる価格を消費者に提示することが大事だ」と強調し、「敵はNTTに絞りたい」とコメントした。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.japan-telecom.co.jp/newsrelease/2004/sep/nr040915/nr_fs.html
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( 鷹木 創 )
2004/09/15 21:28
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