日立製作所中央研究所は、1本の光ファイバ(10Gbps)で伝送できる情報量を4倍に拡大可能な光伝送の実証実験に成功したと発表した。
今回の実証実験は、16値の多値光変調を可能とする変調方式を利用したもの。光信号の変調は従来、光の位相を4値で変調し、さらに振幅を2値で変調した8値の多値信号が最多だったが、同実験では振幅を4値の多値信号で変調する。
しかし、光信号の振幅と位相を同時に多値信号で変調すると、位相信号が復調した時に干渉が発生してしまい受信できない問題があるという。このため、同社では振幅変調成分と位相変調成分を直交させることで干渉を減らす独自の変復調方式を開発。これにより、振幅4値、位相4値の16値の多値光変調を利用して、1本の光ファイバ(10Gbps)で伝送可能な情報量を4倍(40Gbps)に拡大した光伝送に成功したという。
同社では、今回の実験結果を活用して光ファイバ通信の大容量化を実証するとともに、高効率の多値変調方式や低コスト・小型の光多値送受信器の開発に取り組むとしている。なお、今回の実証実験は、9月6日に開催したヨーロッパ光通信国際会議「ECOC 2004」ですでに発表されている。
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多値光信号の波形と位相点の配置
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2004/10/1008.html
( 村松健至 )
2004/10/08 19:34
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