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ライブドア、P2P電話ソフト「Skype」との独占的パートナーシップを締結


 ライブドアは26日、P2P電話ソフト「Skype」の独占的WebポータルパートナーシップをSkype Technologies S.A.と締結したと発表した。

 Skypeは、P2P技術を用いてユーザー間は無料で通話できるソフトウェア。P2Pファイル交換ソフト「kazaa」開発者が開発した。 Skypeを使って世界各国の固定電話や携帯電話に有料で通話できるサービス「SkypeOut」も提供されている。OSはWindows XP/2000、Mac OS X、Linux、Pocket PC 2003に対応する。

 ライブドアは今回のパートナーシップ締結について、Skype社の最高経営責任者および共同設立者であるニコラス・センストロムを迎えた記者会見を開催した。


日本語課金のスカイプアウトや050番号による発着信サービスを予定

ライブドア 代表取締役社長兼最高経営責任者の堀江貴文氏
 ライブドアでは26日よりWebサイト「livedoor スカイプ」を開設、livedoor版のクライアントソフトを公開する。現在はWindows XP/2000のみの対応だが、今後はライブドアが販売する「Linspire」「turbolinux」やMac OS X、Linux、Pocket PCにも順次対応する予定。なお、Skype Technologies S.A.側でのクライント提供も継続して行なわれ、どちらのソフトでも相互に無料通話が可能になる。

 現在はユーロ課金している一般加入電話向けの発信サービスも、ライブドアが近日中に「スカイプアウト」として日本語での取り扱いを開始する予定。また、050番号を利用した発着信サービスも予定する。これらのサービスもライブドア版、Skype版ともに利用できるという。

 なお、ライブドアではすでにSIPを利用した電話サービス「livedoor SIP フォン」を提供しているが、今後はlivedoor SIP フォンとlivedoor スカイプとの連携も図られる。具体的にはライブドアが構築したSIPのIXサービス「SIP IX」にP2Pを接続、相互に通話を可能とする方針だという。スカイプでの050番号の取得は、livedoor SIP フォン同様にフュージョン・コミュニケーションズなど他の事業者を通じて行なわれる予定。

 なお、現在のところインターネット網を介した電話サービスには050番号が割り当てられていない。これについて代表取締役社長兼最高経営責任者の堀江貴文氏は「“どの地域に端末があるかわからない”“緊急の通話ができない”といった役所の規制があり、050番号の取得が難しいことは確か」とした上で、「実際にはSkype Outを日本で使うことができる。モバイルでの050利用についても構内ならOKだが外出先での無線LAN経由での利用は駄目など、我々から見れば理不尽だと思う」と指摘。「livedoor会員限定といった形であればすぐにできるだろうが、できるだけ会員制限のないサービスを提供できるよう、050番号の取得に向けてねばり強く対応していきたい」との意欲を示した。


IEEE 802.11n準拠の公衆無線LANサービスも視野に

左からSkype最高経営責任者のニコラス・センストロム氏、日本ビジネス開発部長のビンセント・ショーティノ氏
 今後はlivdoor スカイプの外出先利用に向けた公衆無線LANサービスの提供も視野にあるという。堀江氏は「IEEE 802.11nなど、電波の到達距離が長い技術が登場し始めている」と述べ、都心部を中心にアクセスポイントを100台単位で設置していくというサービスの方針を示した。当初はPCやPDAから利用するデータ通信が主となるが、最終的には外出先からのスカイプ利用も視野にあるという。

 現在のところスカイプのゲートウェイは海外のみだが、今後は日本にもゲートウェイを設置する予定で、その際はライブドアが関わる予定だという。ただし、通話料金については「現状から若干下がるかもしれないが、大きな変化はないだろう」との考えを述べた。

 なお、今回の独占的包括提携はポータルサイトでの提供であり、機器組み込みといった提携は日本のハードウェアメーカーを含めて別途提携を行なっていく方針。その際にはライブドアを通じた提携なども考えているという。

 Skypeの最高経営責任者であるニコラス・センストロム氏はスカイプについて「現在まで世界各国で2,900万のダウンロード、1,300万の登録ユーザーを有し、ユーザー数は1日に10万程度の伸びを示している」と説明。「ブロードバンドがユビキタスになるにつれて、今後はVoIPが注目されるだろう。スカイプによって通信の壁を崩し、もっと自由なコミュニケーションができるようになると考えている」と語った。

 ライブドアとの提携理由は「我々には強いパートナーが必要であり、成長が早く、チャレンジャーであるライブドアは我々に適している」と説明。スカイプの日本法人の予定はなく、日本国内ではライブドアのようにパートナーと提携して展開していくとした。


livedoor スカイプのデモ。会見中はネットワーク不調のためデモが行なわれず、会見後にセンストロム氏自ら行なった livedoor スカイプのデモ画面

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://corp.livedoor.com/pressroom/pressrelease/content?id=449
  ライブドア
  http://www.livedoor.com/
  Skype
  http://www.skype.com/home.ja.html
  livedoor スカイプ
  http://skype.livedoor.com/


( 甲斐祐樹 )
2004/10/26 19:34

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