「ENUM」の技術検証を目的とした団体「ENUMトライアルジャパン(ETJP)」が11日、活動の成果を第2次報告書としてとりまとめ、公表した。
ENUMとは、電話番号をドメイン名で表わし、DNSを使ってその電話番号に対応するアドレスを取得する仕組み。1つの電話番号に対してIP電話やメールサーバー、Webサイトなど複数のサービスを対応付けられる。1つの電話番号がわかれば、音声通話だけでなく、各種インターネットアプリケーションやサービスなどに接続することも可能になるわけだ。
ETJPでは、主にENUMアプリケーションの技術実験についての成果をとりまとめた第1次報告書を5月に公表している。今回の第2次報告書は、5月以降の活動についてとりまとめたもので、主にプライバシーやセキュリティ面を担当するワーキンググループなどの検討結果が報告された。
例えばプライバシーに関しては、ENUMでは電話番号がDNSに登録・公開されるという仕組み上、そのデータが目的外で取得される可能性があると説明。迷惑電話などにつながるリスクのほか、データの不正登録やなりすましなどによるリスクもあるとしている。不正登録やなりすましについては、データの登録にSSLを用い、IDおよびパスワードで管理するとともに、DNSへの問い合わせや更新にはDNSSECを用いることで防げるとしている。
一方で、登録されたデータの不正利用まではETJPが規定する方法では防止できないとし、ENUMを利用するにあたっては、登録するデータは法人や団体としてのみ登録し、個人のデータの登録にあたっては慎重に行なう必要があるほか、個人や団体を含め、登録主体にこれらのリスクを認識させた上で「オプトイン」に基づく必要があるとのガイドラインを示している。
このほか今回は、ENUM DNSで要求される仕様に基づいたDNSサーバーソフトの性能評価も行なわれ、追ってその各データが報告される予定だ。なお、2003年9月に設立されたETJPは当初、活動期間を1年間としていたが、通信事業者間のサービス実験や国際実験まで終了できなかったことから、さらに期間を1年間延長することになった。
関連情報
■URL
ENUMトライアルジャパン第2次報告書(PDF)
http://etjp.jp/about/activity/20041111/ETJP_2nd_report1111.pdf
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・ 開発が進むENUMアプリケーション~ETJPが報告書とりまとめ(2004/05/12)
( 永沢 茂 )
2004/11/12 18:41
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