Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

ICANN、gTLDのドメイン名登録についてレジストラ変更の手続きを統一化


 ICANNは、「.com」などのgTLDドメイン名について、レジストラ(ドメイン名登録業者)の移転について手続きを統一化する新ポリシーを施行した。11月12日から行なわれるすべてのレジストラ変更に適用される。

 現在、gTLDドメイン名でレジストラを変更する場合には、ドメイン名の登録者が移転先のレジストラに対して変更要請を行ない、移転先レジストラは変更手続きを進める前に登録者から許可を得ることになっている。また、移転元のレジストラも、任意で登録者に確認を行なうとしている。

 従来のポリシーでは、こうした登録者に対する意思確認のプロセスが明確でなく、レジストラ側の対応が統一されていなかったために、第三者によって不正にレジストラ変更が行なわれるケースや、移転元のレジストラが不当に変更拒否をしたりプロセスを遅延させているといった批判が寄せられていた。

 こうした問題に対処するため、ICANNでは2001年から検討を続けており、2003年4月には検討結果をまとめたポリシー勧告がICANN理事会によって採択され、2004年7月に手続きの詳細を定めた文書が新ポリシーとして発表されている。

 新ポリシーによるレジストラ変更のプロセスは以下の通りとなっている。

1. ドメインの登録者が移転先レジストラに対して変更を要請
2. 移転先レジストラは登録者に連絡を取り、レジストラ変更を許可するかどうかを確認
3. 登録者は変更を許可(または却下)する旨を返答。この際には本人確認が必要
4. 許可を得たレジストラはレジストリ(ドメイン名の管理組織)に変更を要請
5. レジストリが移転先・移転元双方のレジストラに通知
6. 移転元レジストラは登録者に対して変更の意思を任意で確認。レジストリには5日以内に返答
7. レジストリはレジストラ変更処理を行ない、双方のレジストラに通知
8. 移転先レジストラは登録者に対して変更手続きが終了したことを通知

 基本的なプロセスは従来と変わらないが、レジストラから登録者に対しての意思確認については標準書式を利用することが定められており、標準書式はレジストラの責任において英語から別の言語に翻訳して使用することも可能としている。

 また、移転元のレジストラは、不正行為の痕跡がある場合や、ドメイン名が初期登録期間の最初の60日以内にある場合など、定められた9つの理由以外についてはレジストラ変更を拒否することはできず、レジストリから通知を受けて5日以内に返答しなかった場合には自動的にレジストラ変更の手続きが開始されるとしている。

 このほか、12日からはWhoisに関連する2つのポリシーも施行される。一括入手したWhois情報のマーケティング利用、転売、再配布が禁止されるほか、登録者が虚偽の連絡先を提出したかレジストラからの問合せに返答しなかったことを理由にドメイン名の登録が削除された場合に「請戻猶予期間」が適用される。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.icann.org/announcements/announcement-12nov04.htm
  レジストラ変更に関する新ポリシー(JPNICによる解説)
  http://www.nic.ad.jp/ja/dom/gtld-policy/transfer.html


( 三柳英樹 )
2004/11/12 20:27

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.