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平成電電の佐藤賢治代表取締役社長
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平成電電は29日、ソフトバンクと日本テレコムに対する提訴について記者会見を開催した。訴訟の内容は不正競争防止法等に基づくもので、ソフトバンクに対する営業秘密の開示行為の差し止め、および日本テレコムの固定電話サービス「おとくライン」販売差し止めを求めて東京地方裁判所に提訴したという。
平成電電によれば、同社が運営する直収型の固定電話サービス「CHOKKA」を含む買収をソフトバンクと交渉している過程において、ソフトバンクが取得した平成電電の営業秘密を、ソフトバンクが日本テレコムに開示したという。平成電電ではこの行為が、買収交渉における秘密保持契約に反すると同時に、不正競争防止法2条1項7号の不正競争行為に該当するとしている。
さらに平成電電では、日本テレコムのおとくラインが、ソフトバンクから取得した営業秘密を使用して提供しているために、不正競争防止法2条1項8号の営業秘密の転得使用行為に該当すると指摘。おとくラインの販売差し止めも求めている。
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会見の出席者
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平成電電の請求の趣旨は「ソフトバンク株式会社は、別紙営業秘密目録記載の営業秘密を開示してはならない」「日本テレコム株式会社は、おとくラインと称する固定電話サービスを販売してはならない」「訴訟費用は被告らの負担とする」の3点。この判決と仮執行宣言を求めるとともに、同様の内容の仮処分命令の申し立ても行なっている。
本件は、2004年3月下旬から5月下旬にかけて、平成電電の佐藤賢治代表取締役社長および役員関係が所有する株式のうち、100%から2/3程度をソフトバンクに売却するという交渉を行なっていたことから始まる。買収額の詳細は明らかにされていないが、佐藤社長は「少なくとも我々が6~7年かけた営業利益よりも多い額の設定であった」と説明。「どちらからということもなく買収の話が持ち上がった」と当時の状況を語った。
5月下旬には買収交渉が打ち切りとなるが、同時期にソフトバンクは日本テレコムの買収を発表。8月30日には平成電電の「CHOKKA」と同様の直収型固定電話サービス「おとくライン」をソフトバンクと日本テレコムが発表する。
佐藤社長は「おとくラインの発表だけでは、我々の営業秘密を侵害していると即座に断定できる状況ではなかった」とした上で、「現在はサービス内容が明らかになったことと、サービス開始が12月1日ということで提訴に至った」と説明。代理人弁護士の若林弘樹氏は「営業秘密の転用であるという根拠は、その説明自体が営業秘密にあたるのでコメントを控える」と前置いたのち、「我々が開示した営業秘密がなければおとくラインは提供できなかったという根拠はあり、法的手続きの中で明らかにしていく」と説明した。
平成電電はおとくラインのサービス提供そのものを差し止めるよう請求しているため、申し立てが認められた場合、日本テレコムはおとくラインを提供することができなくなる。ただし、サービス差し止めは申し立てが認められてからの話であり、12月1日から申し立てが認められるまでの期間に、サービスが事実上提供される可能性は、ソフトバンクと日本テレコム次第だという。
なお、KDDIが提供を予定するIP網を利用した固定電話サービス「KDDIメタルプラス」については、「少なくとも我々の接続方法とは方式が違うと思われる」とコメント。「おとくラインとCHOKKAは方式と機械が同じという理解で正しいのか」との質問には「はい」と肯定した。
平成電電は本件の仮処分訴訟も行なっており、若林弁護士は「進行次第を決めるのは裁判所の権限ではあるが、仮処分のほうが進行が早いのではないかと認識している」と説明。損害賠償については「今後の展開次第で検討する可能性はある」と佐藤社長が回答した。
ソフトバンクと日本テレコムは本件に対して、「訴状の内容を見ていないので具体的なコメントはできない」とした上で、「『おとくライン』サービスの開発は独自に取り組んできたものであり、他社情報を不正に使用した事実はありません」とコメント。「法廷の場で事実を明らかにしていきます」としている。
関連情報
■URL
平成電電
http://www.hdd.co.jp/
平成電電株式会社の提訴について(日本テレコム)
http://www.japan-telecom.co.jp/newsrelease/2004/topics/tpx041129/nr_fs.html
おとくラインサービス紹介ページ
http://www.japan-telecom.co.jp/otoku/
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( 甲斐祐樹 )
2004/11/29 19:15
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