全米映画協会(MPAA)は14日、BitTorrentなどのP2Pファイル交換サービスを使って映画やテレビ番組などの違法コピーを手助けしているユーザーに対して、会員企業が大規模な訴訟を開始したと発表した。
問題となっているのは、P2Pファイル交換ソフトのBitTorrent、Direct Connect、eDonkey。それぞれのP2Pネットワークではファイルの場所を指し示すデータをインデックスしているサーバーがあり、BitTorrentでは「トラッカー」、eDonkeyでは「サーバー」、Direct Connectでは「ハブ」と呼ばれている。今回の訴訟では、これらのサーバーを運用している人々について「映画やテレビ番組の違法なコピーを助長している」と指摘している。MPAAの上級副社長で海賊版対策オペレーション担当部長のJohn Malcolm氏は、「これらのサーバーの運用者は、彼らのサーバーの中にどのファイルが含まれているかについて完全にコントロールしているだけでなく、許可されない種類のファイルを決めることさえできる」とコメントし、責任能力を追求していく構えを見せた。
今回、サーバーの運用者に対する民事訴訟は米国と英国の法廷に持ち出されたが、それ以外の国でもMPAAの会員企業が各国の法執行機関と協力しており、現在フランス、オランダ、フィンランドではすでに行動が取られている。MPAAと地元の著作権保有組織がeDonkeyのサーバーとDirect Connectのハブが運用されている世界中のISPに対して、その運用を差し止めるよう求める手紙を送付したという。
MPAAでは、同協会が海賊版対策として、例えば親や一般消費者、大学のネットワーク管理者、学生に対する教育活動のほか、罰則を強めるための法制強化や海賊版を防ぐためのテクノロジーの開発など、さまざまな活動を行なってきたとしている。さらにMPAAの会員企業がMovieLink、CinemaNow、MovieBeamなど複数の合法的なダウンロードサービスを強く支持し、投資も行なっていることもアピールしている。
関連情報
■URL
全米映画協会(英文)
http://www.mpaa.org/
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・ MPAA、映画の違法ファイル交換を行なう個人に対する大規模訴訟を準備(2004/11/05)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/12/15 13:48
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