トレンドマイクロは20日、2004年の年間ウイルスランキングを発表した。ウイルスの被害報告の総件数は63,657件で、2003年の47,607件を大きく上回る結果となった。トレンドマイクロでは、「2004年はマスメール型ワームによる被害が目立った年」とコメントしている。
ランキングは、2004年1月1日から12月15日までの間にトレンドマイクロの日本のサポートセンターに寄せられた問い合わせをもとに作成したもの。1位「WORM_NETSKY」(5,527件)、2位「TROJ_AGENT」(2,558件)、3位「JAVA_BYTEVER」(2,336件)、4位「WORM_AGOBOT」(1,972件)、5位「TROJ_ISTBAR」(1,134件)、6位「WORM_SDBOT」(1,066件)、7位「WORM_MYDOOM」(963件)、8位「VBS_REDLOF」(928件)、9位「WORM_RBOT」(908件)、10位「WORM_NACHI」(887件)となっている。
トレンドマイクロでは、トップの「WORM_NETSKY」など、マスメール型ワームが流行した理由として、「WORM_MYDOOM」や「WORM_BAGLE」などの亜種が競うように登場したことを指摘。「技術的には単純なマスメール型ワームだったが、メールの不達を知らせるようなエラーメールを装うことで多くのユーザーを欺いた」と分析している。
また、2位の「TROJ_AGENT」や5位の「TROJ_ISTBAR」など、年間を通して悪質なWebサイトでトロイの木馬をダウンロードしてしまう被害も継続的に報告された。ゴールデンウィークには、セキュリティホールの発見から17日後にこれを標的とした「WORM_SASSER」が登場し、欧米を中心に流行した。このほか、4位の「WORM_AGOBOT」や6位の「WORM_SDBOT」などのボット系プログラムは、新たな亜種が登場し続けており、「WORM_AGOBOT」は年間に1,000以上の亜種が確認されている。
日本発のウイルスとして、P2Pファイル交換ソフト「Winny」を媒介して感染を拡げる「WORM_ANTINNY」や「TROJ_NULLPORCE」による被害も発生した。2004年3月に登場した「WORM_ANTINNY.G」は「WORM_ANTINNY」の亜種で、侵入したPC内の情報を1ファイルにまとめて「Winny」上に流出させる。なお、ウイルス対策ソフトを停止させるような活動をする亜種も確認されるなど、「WORM_ANTINNY」の被害は拡大しているという。
トレンドマイクロでは2005年のウイルスの傾向として、「セキュリティパッチが提供される前にセキュリティホールを標的とした攻撃をする『ゼロデイアタック』による被害」を懸念している。
関連情報
■URL
トレンドマイクロ
http://www.trendmicro.com/jp/
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( 増田 覚 )
2004/12/20 14:44
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