野村総合研究所(NRI)は、国内主要IT市場における2009年までの市場分析と市場規模予測を発表した。「eビジネス・ライフ」「放送」「プラットフォーム」「セキュリティ」「ハード」などの各市場について分析・予測している。なお、金額についてはいずれも予測値。
2009年度のeビジネス・ライフ市場では、BtoCにおけるオンライン通販(BtoC EC)が2004年度の2兆8,800億円からは5億5,100億円に成長すると予測。ネットオークションも同1兆800億円から2兆800億円と約2倍の市場規模に拡大するという。インターネット広告も同1,730億円から3,170億円に増大する見込みだ。
放送市場に関しては2009年度末の地上デジタル放送視聴世帯を3,791万世帯、BSデジタル放送視聴世帯を3,167万世帯と見込んでおり、地上デジタル放送が2004年度の741億円から1兆8,128億円に急成長し、衛星デジタル放送も同3,311億円から6,653億円に倍増すると予測する。しかし、「2006年以降、どのようにしてあまねく世帯に地上デジタル放送波を届けるかは不透明であり、現行の地上波放送を2011年7月までに地上デジタル放送へ移行完了する計画は困難」と分析した。
このほか、プラットフォーム市場では、RFIDが同149億円から1,022億円に成長。セキュリティ市場ではウイルス対策が同641億円から997億円に成長すると予測している。なお、セキュリティ市場については、電磁波問題対策とバイオメトリクスの2分野が急成長すると予測した。電磁波問題対策分野は2009年に約160億円の市場規模に達すると推計し、なかでも盗聴とテンペスト対策については「今後大幅に市場拡大する見込み」だという。バイオメトリクス認証機器分野は、2007年度に180億円程度の市場規模に拡大すると予測し、「電子パスポートやATM、住基ネットへの採用がカギを握る」と分析した。
ハード市場については、デジタル情報家電が2004年度の791万台から1,526万台に、フラットパネルディスプレイが同559万台から1,136万台にぞれぞれ達すると高い成長率を予測する。その一方で、「世界的な競争激化の中、多くの機器分野で成長の壁を感じる」と分析。パソコンが2004年度の1,158万台から1,380万台と2割程度の成長に止まるほか、携帯電話端末では同4,670万台から4,240万台にマイナス成長すると予測している。
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■URL
ニュースリリース
http://www.nri.co.jp/news/2005/050114.html
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( 鷹木 創 )
2005/01/14 17:45
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