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総務省、ブロードバンドの国内トラフィック総量を324Gbpsと試算


 総務省は25日、日本のインターネットにおけるトラフィック(通信量)の集計・試算結果を公表した。試算によれば、2004年11月時点で国内のブロードバンド契約者によるトラフィックの総量は324Gbpsとなっている。

 総務省では、インターネットにおけるトラフィック急増に備えた施策を検討するために、2004年2月から「次世代IPインフラ研究会」を開催。同研究会の第1次報告書として、インターネットにおけるトラフィック情報を継続的に把握する必要性が提言された。これを受けて、総務省ではIPS7社と学会の協力により複数のトラフィック情報の集計・試算を行なった。

 今回の集計では、ISP7社のブロードバンド契約者(ADSL、FTTH)とその他の契約者(ダイヤルアップ、専用線など)のそれぞれについて、月間平均トラフィックを合計。2004年11月時点で、ブロードバンド契約者によるトラフィックの合計は、イン側(プロバイダー側が受信するトラフィック)が116Gbps、アウト側(プロバイダー側から送信されるトラフィック)が133Gbpsとなっている。

 その他の契約者によるトラフィックについては、7社中4社のみの合計でイン側が16.2Gbps、アウト側が15.6Gbpsとなっている。ただし、こちらについてはISPによっては集計に負荷がかかることや、サンプルが少ないために分析を控えた方が妥当としている。

 また、国内主要IX(JPNAP、JPIX、NSPIXP)で交換されるトラフィックについても集計したところ、2004年11月時点のトラフィック総量は80.3Gbpsで、そのうち今回の調査に協力したISP7社によるものが41.1%を占めていた。このことから、協力ISP7社の国内シェアを41.4%、7社のブロードバンド契約者のトラフィック総量を133Gbpsとして、国内トラフィックの総量を324Gbpsと試算している。

 総務省では今回の集計・試算結果から、ブロードバンド契約者の平均トラフィックは増加傾向を続けており、協力ISP7社の合計値だけでも100Gbpsを超えており、時間別推移でも最低の状態でも80Gbpsとなっていることから、常に相当量のトラフィックが流通している状態にあるとしている。また、ユーザーから見ればダウンロードに相当するプロバイダーのアウト側のトラフィックは、依然としてイン側を上回っているが、イン側も100Gbpsを超える状況となっており、ISPにとっては「一般利用者はダウンロード中心」ということを前提のネットワーク構築はできなくなっているとしている。

 総務省では今後の取り組みについて、今後も継続的にトラフィック情報を把握するために、半年に1回トラフィック情報の集計を行なう方針。毎年5月と11月に集計を行ない、6月と12月に結果を公表する予定。また、インターネットにおけるトラフィックの把握は国際的にもその重要性の認識が高まっており、トラフィックの把握に関する他国の動向も踏まえて、国際的に整合性のとれた取り組みを行なうとしている。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050125_3.html


( 三柳英樹 )
2005/01/25 17:08

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