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HDDレコーダーの米TiVo、サードパーティ向けにSDKを公開


 米国でHDDレコーダーの販売やテレビ番組表などの有料配信サービスを手がける米TiVoは1月31日、同社のHDDレコーダーを使ったアプリケーションを開発できるSDKをサードパーティ向けにSourceForge.netにて公開した。ソースコードはCommon Public Licenseで公開されている。

 TiVoのHDDレコーダー「TiVo」は自動的に連続ドラマを録画したり、あらかじめ入力しておいたキーワードと一致する番組を自動録画するなどの機能が充実している。また、録画した番組を外部PCに出力してDVDに書き込むことが可能だ。同社は最も安いハードウェアを99.99ドルで販売する一方、TiVo向けの詳細な電子番組表を有料配信するビジネスモデルで利益を上げている。

 今回公開されたのは、TiVoの最新バージョン「TiVo Series2 DVR」を拡張するアプリケーションのためのSDKで、コードネーム「HME」と呼ばれる。趣味で利用することも可能だが、テレビ局やラジオ局、エンターテイメント企業などが新たなビジネスを展開するためのアプリケーションを開発することを主な目的としている。

 HMEアプリケーションは、ローカルネットワーク上のPCで実行させるか、TiVoのサーバーにホスティングするかを選択できる。TiVoがデフォルトで提供しているデジカメ写真や音楽再生のためのアプリケーションをより高度で見栄のよいものに作り替えたり、TiVo向けのゲームソフトを作ったり、RSSリーダーを作ることまで可能のようだ。

 さらに大きな特徴として、これまではテレビとCATV、衛星放送が主要な番組配信ネットワークだったTiVoにおいて、ブロードバンドを利用してインターネット上のコンテンツを配信できるようになることが挙げられる。HMEではそのための多数の機能も提供している。

 HMEを使ったアプリケーションは、Javaをプログラミング言語とする。現時点ではTiVoのタイマー録画や再生機能をアプリケーションを使って制御することはできないが、将来的には可能になる予定だ。

 TiVoはSDKの公開に伴って、デベロッパーコンテストを開催することもあわせて発表した。審査員として米Sun Developer ProductsのCTOであるJames Gosling氏やWiredの編集長であるChris Anderson氏などが招かれており、豪華な商品が用意されている。

 TiVoはこれまでも“ハッカー”たちがTiVoを改造したり、その改造内容を公開することを黙認しており、そのことによって多くの支持を得てきていた。今回、SDKを公開した上にさらにブロードバンドコンテンツを取り込む道筋を付けたことで、TiVoはHDDレコーダーの新たな使い方を提案することになる。同社では、TiVoについて「リビングルームに存在する最大のオープンプラットフォームである」と表現している。


関連情報

URL
  HMEのダウンロードページ(英文)
  http://tivohme.sourceforge.net/
  ニュースリリース(英文)
  http://www.ostg.com/press/press.htm#tivo


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/02/01 15:10

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