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バルーンヘルプを表示するきっかけとなるマウスマークの表示が、アイコンに該当するかどうかが焦点となった
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松下電器産業が、ジャストシステムのワープロソフト「一太郎」とグラフィックスソフト「花子」について「アイコン操作の特許権」を侵害されたとして、両ソフトの製造販売の中止と製品の廃棄を求めていた訴訟で、東京地裁は1日、松下電器側の主張を認め、ジャストシステムに対して「一太郎」と「花子」の製造販売の中止と製品の廃棄を命じる判決を言い渡した。
なお、判決では仮執行は見送られたため、ただちに販売停止という事態にはならない。ジャストシステムでは控訴する方針で、最新版の「一太郎 2005」や「花子 2005」も予定通り発売するという。
争点になった松下電器の特許は、1998年7月17日に登録された「情報処理装置及び情報処理方法」(特許番号:第2803236号)で、アイコンの機能説明を表示させるアイコンの操作に関するもの。バルーンヘルプを表示するきっかけとなるマウスマークの表示が、アイコンに該当するかどうかが焦点となった。
今回の判決では、マウスマークがアイコンと判断され、松下側の主張が認められた形だ。ジャストシステムでは、ヘルプ機能の表示に「?」に加えマウスマークを追加した理由は、「ユーザーインターフェイスとして、マウスがあった方がわかりやすいだろうと判断した」とコメント。マウスマークの表示は、1996年2月に出荷した「一太郎 7」以降で採用されており、最新版の「一太郎2005」にも搭載されている。
なお、ジャストシステムは2004年8月の東京地裁で、ジャストホームのヘルプ表示部分に「?」マークを表示する訴訟では松下電器に勝訴している。
記者会見では、ジャストシステムの鍋田毅取締役経営企画室長は「ただちに控訴する方針だ」と厳しい口調で語った。また同社の内藤興人理事は「問題になったアイコン操作についてはWindows標準の機能とほとんど変わらず、一太郎が特許に抵触するのであれば、多くのソフトが特許侵害となってしまう」とコメントした。
松下電器では、「今回の判決は、当社の主張が認められたものと考えている。今後の展開を見守っていきたい」とコメントしている。
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ジャストシステムの鍋田取締役
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同じく内藤理事
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関連情報
■URL
東京地裁 平成15(ワ)18830等 特許権 民事訴訟事件
http://courtdomino2.courts.go.jp/chizai.nsf/Listview01/BD8ABD057306E75449256F6900327386/
松下電器産業
http://www.matsushita.co.jp/
ジャストシステム
http://www.justsystem.co.jp/
( 鷹木 創 )
2005/02/01 19:35
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