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RSA-155の解読などで知られる著名暗号学者がBell Labsに移籍


 米Lucent Technologiesは1日、著名な暗号学者のArjen Lenstra氏が同社子会社であるBell LabsのComputing Sciences Research Centerに加わったと発表した。

 Lenstra氏は、暗号アルゴリズムやプロトコルの設計、開発、評価で高い能力を持っていることで広く知られている。Bell Labsに移籍するまでの8年間は、米Citigroupでセキュリティのコンサルティングを行なっていた。

 数学の1分野である整数論で得た成果を、コンピュータを使って計算する計算数論の分野で高度な知識を有し、「RSA-155」の512ビット暗号鍵を解読する際に大きな貢献をしたことでも知られている。RSA公開鍵暗号は、大きな数を因数分解することが難しいという性質に依存しているが、Lenstra氏のチームはこれを7カ月以下で成し遂げ、RSA-155がこれまで信じられていたほど安全ではないと証明することに成功した。

 また、暗号プロトコルを効果的に設計・実装するためのソフトウェア「FreeLIP」を開発したほか、暗号システムで使われる鍵のサイズを安全に決定するために必要な考察を記した論文「Selecting Cryptographic Key Sizes」を共同執筆したことでも知られている。

 今回Bell Labsに移籍したことについてLenstra氏は「私がBell Labsに加わったのは、アカデミアの外にいる人々にも大きな変化をもたらすような方法でアルゴリズムを設計したり、計算数論の難しい問題に取り組みたかったからだ」とコメントしている。

 Bell LabsによるとLenstra氏は今後、学術的な暗号研究と計算数論を実際のセキュリティアプリケーションとセキュリティ慣行に適用する分野で研究を進めていくとしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.lucent.com/press/0205/050201.blb.html
  関連記事:RSA 512ビット鍵が解読される
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/1999/0827/rsa.htm
  関連記事:109ビットの楕円曲線暗号が解読される
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2000/0414/109.htm


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/02/02 12:45

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