総務省で3日、「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」の第8回会合が開催された。昨秋から行なわれてきた本検討会だが、今回はこれまでの議論の内容をまとめた意見案が明らかにされた。
傍聴席には、ソフトバンクBB 代表取締役社長の孫 正義氏や、イー・アクセス代表取締役会長兼CEOの千本 倖生氏が駆けつけた。
● 新規・既存・構成員の意見を併記する形に
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傍聴席に座るソフトバンクBB 代表取締役社長の孫 正義氏
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イー・アクセス代表取締役会長兼CEOの千本 倖生氏も傍聴に駆けつけた
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今回明らかにされた意見案は、検討会として何らかの方向性を打ち出したものではなく、既存事業者や新規参入希望者、検討会構成員から出された意見を「~という旨の意見があった」といった形にして、対立する分野では両論を併記している。
意見案は、「携帯電話周波数の利用拡大に関する基本的な視点について」「携帯電話用周波数の割当てに関する考え方について」「既存の携帯電話用周波数の移行・集約について」と3部構成となっている。「基本的な視点」では携帯電話の料金水準や新規参入に関する意見、「周波数の移行・集約」では800MHz帯の再編に関する意見が記されている。
新規参入を希望するソフトバンクBBが割り当てを強く求めている800MHz帯については、「ソフトバンクBBは、NTTドコモ・KDDIと同じく2007年頃から3G向けに800MHz帯を使用したいという表明があった」「これに対して他の新規参入希望者やボーダフォンからは、800MHz帯は伝搬特性などで有利ではあるものの、新たに割り当てを求めるのは非現実的とする意見があった」など、これまで出された意見が掲載されている。
構成員からは、1.5GHz帯の取り扱いに関する意見や、定量的なデータなどのほか、意見案冒頭にこれまでの携帯電話業界の流れや本会合の位置付けを記載すべきとの指摘があった。
総務省側のスタッフで構成される事務局では、今回明らかにした意見案をベースに、構成員からの指摘を踏まえてあらためて意見案を作成し、今後公開していく予定。
本検討会は、今回で終了となり、後日公開される意見案に対してはパブリックコメントは募集されない。総務省側では、今後免許方針などを策定する際に、これまでの意見を参考として、周波数をどの事業者に割り当てていくか判断していく。最終的な判断を下す時期について同省では「できるだけ早期に」とするに留まっている。
傍聴していたソフトバンクBB 孫氏は、会合終了後に総務省のスタッフに対して「(免許方針の策定は)フェアにやっていただきたい」と述べ、今後の動向を見守る姿勢を見せた。
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会合終了後、総務省スタッフに詰め寄る孫氏
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関連情報
■URL
携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/keitai-syuha/
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( 関口 聖 )
2005/02/03 16:59
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