富士通と富士通研究所は、無線LAN対応のIP電話で通話中の音切れを抑え、通話品質を確保できる無線IP電話システムを実現する技術を開発したと発表した。
今回発表された技術は、IEEE(電気電子学会)で現在標準化作業中の無線LANにおけるQoS規格「IEEE 802.11e」に準拠したもの。同技術では、IEEE 802.11eに準拠した無線LAN通信を行なうことで、音声データの通信を他のデータよりも優先し、遅延を抑えて音切れのない通話品質を確保できるという。
SIPサーバー側では、IP電話端末の同時接続数を超えないように端末の識別・認識といった接続制御が行なわれる。一方、無線LANアクセスポイント側では、データの識別と通信帯域が管理され、通信速度に応じて帯域を確保していくという。また、電波状況に応じて、音声データの通信速度が最適化され、壁や柱の陰などにより電波が弱い状況でも通話品質の安定化が図れたとしている。
両社では、今回開発した技術を搭載したIP電話システムにおいて、音声通話と同時に3Mbps超のデータ通信をさせ、無線LAN対応IP電話の音声パケット損失が発生しなかったことを確認したという。また、14台の同時接続時も高品質の通信が可能だとしている。
両社は今後、IEEE 802.11eに準拠する無線LANアクセスポイントへの適用を中心に、無線LAN対応のIP電話システム製品として早期に製品化を図りたい考えだという。また、両社が2007年ごろにサービス開始を予想する、固定・移動体網を問わずに同一の電話番号と端末が利用できる「FMC(Fixed Mobile Convergence)」サービスにも、同技術を利用できるとしている。
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今回開発された技術の概念図
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2005/02/7-3.html
( 村松健至 )
2005/02/07 16:25
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