迷惑メールによる被害をなくし、同時にメールマーケティングによるターゲット広告を実現するための無料サービスを提供している米Affiniは15日、ベンチャー企業の会議「DEMO@15!」において、同サービスのデモンストレーションを実施したと発表した。Affiniのサービスは2004年秋以来、公開ベータテストが行なわれている。
Affiniは社名から連想される通り、“Affinity(親近感)”をもとにしたメール受信支援サービスだ。無料でメンバーになることができ、メンバーそれぞれにaffini.netのメールアドレスが提供される。このアドレスはウイルスや迷惑メールから確実に保護されるとしている。さらにAffiniはユーザーが現在使用しているPOP3メールボックスの中を定期的に確認し、ウイルスや迷惑メールを除去する作業を自動で行なってくれる。Affiniのサイトで登録をすれば、複数のPOP3メールボックスを同時に使用できる。
Affiniメンバーにメールを送れるのは、1)メンバーが設定した許可リストに載っている人、2)Affiniのサービス内でプラスの評価を受けている人、3)メールを読んでもらうためにAffiniポイントを支払ってもよいと考えている人、4)メンバーから招待状を受け取った人──に限られている。
Affini内での信頼の輪は、Affiniポイントでやりとりされる。仮にマーケティング業者がメールを読んでもらいたければ、費用を支払って宛先のユーザーにポイントを送ればよい。受信者がそのポイント額でメールを読むことを了承すれば、マーケティング業者はメールを送ることができる。見知らぬ人にメールをたくさん送る人はポイントをたくさん消費し、信頼関係にある人にしかメールを送信しない人はポイントが貯まっていく仕組みだ。ポイントはAffiniの決めたレートで実際のお金に換えることができ、そのためにPayPalのIDかクレジットカード番号を登録する。身分を明らかにしなければならない仕組みが迷惑メール業者を排除することに役立っている。
迷惑メールを排除すると同時にこの仕組みをメールマーケティングに活かすため、Affiniサイト内で公開するメンバーのプロフィールが利用される。自分の好きな音楽や趣味、欲しいものなどのリストをAffiniのメンバーに対して公開できるほか、マーケティングメールを1通あたり15ポイントで受け取るかどうかを選択できる。ここで受信を許可すれば、マーケティング業者は比較的安価に適切な相手にメール広告を送ることができる。
Affiniを創業したWilliam I.Cheng氏はサーチエンジン「infoseek」の開発者で、Affiniについて「メール広告とスパムのないインターネットは共存できるのだということを示したい」とコメントしている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.affini.com/demo15.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/02/16 14:19
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