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米Microsoft、P2Pコラボレーションソフトの米Groove買収で合意


 米Microsoftは10日、P2P技術に基づくコラボレーションソフトを開発する米Groove Networksを買収することで合意したと発表した。買収金額などの詳細は明らかにされていない。買収は2005年第2四半期までに完了する予定だ。

 Grooveを買収する理由についてMicrosoftのインフォメーションワーカーグループ担当バイスプレジデントであるJeff Raikes氏は、「Grooveの買収はMicrosoftが提供しているコラボレーション製品を補完することになる。その結果、リアルタイムでサーバーベース、そしてP2Pのソリューションを提供することによって絶えず変化し続け、より複雑になる職場環境に適応できる」とコメントしている。

 Microsoftはこれまでコラボレーション製品としては「Microsoft Office SharePoint Portal Server」と「Windows SharePoint Service」を提供しており、それに加えて3月8日には「Microsoft Office Communicator 2005」「Microsoft Office Live Communications Server」「Microsoft Office LiveMeeting」の新バージョンを発表している。これらの新製品によって職場でメールや電話、インスタントメッセージ、ショートメッセージ、テレビ会議、Web会議などがより簡単にできるようになるとされる。ただし、これまでの製品は1カ所あるいは数カ所に職場が分散している比較的中央集権的な環境でのコラボレーションには向いているが、企業の枠を超えたり、中央集権的なサーバーへのアクセスができないような場合には機能しない。

 GrooveのP2P技術に基づくコラボレーションソフトは、これを解決するソリューションとなることが期待されている。実際、2004年末にインド洋で発生した大津波の際に、スリランカに本拠を置いた津波支援者たちがGrooveの技術を利用して支援状況をアップデートし続けた経緯がある。こうした技術は在宅勤務、出張先、小さな支店、外国、出張中などでも1カ所のオフィスにいるかのようなコラボレーション環境を実現するために役立つと考えられる。

 買収が完了した後もGrooveの200人の従業員は引き続きマサチューセッツ州に職場を置き続けることになる。また、Groove創業者のRay Ozzie氏はGrooveチームのチーフとして、またMicrosoftのCTOとしてBill Gates会長兼チーフソフトウェアアーキテクトの下で働くことになる。Ozzie氏は、IBMに買収されたLotus社のコラボレーションソフトウェア「Lotus Notes」の開発者として、また業界のビジョナリーとしてもよく知られた存在であり、MicrosoftでCTOとして任命されるのはCraig Mundie、David Vaskevitchに次いで3人目となる。

 Grooveは1997年に設立されたが、設立当初からMicrosoftとGrooveは密接な協力関係にあった。数年前からはMicrosoftがGrooveに出資した上でP2P技術における提携関係を築き、Office製品へのGrooveの対応などを行なってきている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2005/mar05/03-10GroovePR.asp
  Jeff Raikes氏、Ray Ozzie氏の質疑応答(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/features/2005/mar05/03-10GrooveQA.asp
  関連記事:米Microsoft、P2P技術のGrooveとの提携を強化
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0723/groove.htm

“モバイルビジネス”のために米GrooveがP2P開発環境をバージョンアップ(2004/05/13)


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/03/11 13:25

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