米IBMは22日、スパム対策のための新技術「FairUCE(Fair use of Unsolicited Commecial Email)」を同社のオンラインコミュニティ「alphaWorks」で公開した。このソフトの開発者は1日400通のスパムをわずか1、2通にまで減らすことに成功したという。
FairUCEはメールのコンテンツを分析してスパムを見分ける代わりに、メールに記されているドメイン名やメールアドレスとIPアドレスの関係を調べることによって、そのメールが正当なメールサーバーから送信されたものなのか、あるいはボットプログラムによって不正に送信されたものなのかを区別する。
通常のスパムフィルターではベイジアン統計やヒューリスティック、フィンガープリントなど、複雑な技術を駆使して企業の貴重なCPUパワーを浪費しなければスパムを判別することができないという。また、スパム送信者は頻繁に使用語句を変更してコンテンツフィルターを回避しようとするため、フィルターを頻繁にアップグレードしなければならない。これに対してFairUCEでは、DNSルックアップのキャッシュを数回参照し、“if/else”の分岐構文を何回か実行するだけでスパムの判別を行なうことができるため、非常に効率的だとしている。
現時点でFairUCEはSMTPプロキシとして実装されており、エンドユーザー向けのソフトウェアではなく、Linux上のPostfixでのみ動作する。QMailとSendmailのサポートは現在検討中だ。また、FairUCEは将来のバージョンで、SPF(Sender Policy Framework)やそれと似た送信者認証システムを実装する予定だとしている。
関連情報
■URL
alphaWorksのFairUCEページ(英文)
http://www.alphaworks.ibm.com/tech/fairuce
ニュースリリース(英文)
http://www.ibm.com/news/us/en/2005/03/2005_03_22.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/03/23 12:37
- ページの先頭へ-
|