日本ベリサインは25日、今後の事業戦略について報道機関向けに説明会を開催した。新しく代表取締役社長兼CEOに就任した橋本晃秀氏が「今後はセキュリティインフラ企業を目指す」と抱負を語った。なお、これまで社長を務めていた川島昭彦氏は同社非常勤の顧問に就任する。
● “泥臭い”手法で信頼性を担保
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左から川島前社長、橋本新社長、スクラボスCEO
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日本ベリサインでは、これまでSSLサーバー証明書の発行業務や企業向け電子証明認証局の構築業務に取り組んできた。「2005年からはこれらの業務に加え、情報セキュリティコンサルティングやマネージドセキュリティサービスといった、いわゆるセキュリティ業務を推進するほか、RFIDなどのセンサーネットワーク向け認証サービスに取り組む」(橋本氏)という。長期的には、さまざまなネットワークのセキュリティを担保する「インテリジェントなセキュリティインフラ企業を目指す」とした。
2004年12月時点で、利用されている日本ベリサインのサーバーIDは37,600枚。主に大手企業に利用されており、「上位20社だけで売り上げの50%を占める」という。ベリサインでは大手企業に偏っていた営業方針を変更し、中小企業も重視するという。そのために、独立系ハードウェアベンダー/ソフトウェアベンダー、リセラー、ディストリビューターなど細かくセグメント分けした「パートナー営業本部」を新設。例えば、専用の認証局を設置したディストリビューターに電子証明書を卸売りすることで、これまで500枚からの提供となっていた電子証明書を、ディストリビューター経由で中小企業に低価格でバラ売りすることなどを検討している。
「従来から日本ベリサインのサーバー証明書は高いといわれていた。比較的安価なドメインマッチングを実在証明の手法として採用する競合他社もいるが、ドメインマッチングの信頼性は20~30%。ベリサインでは、帝国データバンクのデータベースとのマッチングや、実際に登記簿謄本を確認する“泥臭い”手法を採っている。コストは掛かるが、信頼性は高い。」
● 米Verisignの開発チームに日本のスタッフが初参加
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ベリサイン セキュアメールID
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橋本氏によれば、日本ベリサインのスタッフが米Verisignの開発チームに参加することになったという。「これまでVerisignでは、米国以外の会社に対して開発チームへの参画を許していなかった。今回の開発チーム参加は、日本の顧客ニーズを開発段階から汲み上げたいという意志の表われだ」とコメント。Verisignのストラトン・スクラボスCEOは、「日本は米国以外で最も成功した市場。日本ベリサインの業績も好調で、今後はテクノロジーでもリーダーになってほしい」と述べた。
なお、日本ベリサインでは同日、大量のメールを配信する企業向けに「ベリサイン セキュアメールID」を4月下旬から提供すると発表した。メールに電子署名を行なうための電子証明書。利用料は未定だが、証明書のライセンスは2年間有効だという。受信可能なメールソフトは、Outlook/Outlook Express/Shuriken ProなどS/MIMEに対応したソフトとなっている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(ベリサイン セキュアメールID)
http://www.verisign.co.jp/press/2005/pr_20050325.html
日本ベリサイン
http://www.verisign.co.jp/
( 鷹木 創 )
2005/03/25 17:57
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