米Googleがメディア向けの発表を行わず、密かにカリフォルニアのベンチャー企業を買収して子会社化していたことがわかった。3月31日に米証券取引委員会(SEC)に提出されたGoogleの年次報告書の添付資料から明らかになった。
年次報告書に添付された子会社の一覧には、例えば「Google Japan」などGoogleが各国に設置した現地法人やGoogleが買収した衛星地図ソフトのKeyhole、Googleの社員が就業時間の20%を利用して開発したソーシャルネットワークサイト「Orkut」など、よく知られた名前が並んでいる。しかし、リストの最後に記載されている「Zipdash」という企業はこれまでGoogleの子会社として知られていなかったものだ。
Zipdashのサイトに記載されている情報によれば、同社は携帯電話のGPS機能を使って道路の渋滞状況を携帯電話の画面上に表示するための技術とサービスを開発しているという。このサービスでは、利用者の位置を匿名でGPSから割り出し、そのデータを定期的に更新することによって利用者の移動速度を割り出す。その速度の変化から現在走っている道路が渋滞してるのかどうかを識別し、渋滞している道路は赤色で、そうでない道路は緑色で地図上に表示する。これにより、ドライバーが渋滞状況を把握できるようにする。
Googleの年次報告書にはZipdashについての詳しい説明は記載されていないが、「www.zipdash.com」のサイトデザインはGoogleのさまざまなサービスで見られるのと極めて似ており、FAQの書き方などはそっくりだ。同サイトによるとZipdashは2004年3月にNew York Timesで、同じく4月にCNN Headline Newsに取り上げられているという。ただし、Googleが株式公開を行なうために2004年夏に提出した書類にZipdashの記載はなかった。そのため、Zipdashは2004年の夏頃から2005年初めにかけて買収されたものと考えられる。
Zipdashの持つ技術は、Googleが公開しているGoogle LocalやGoogle Mapsなどのローカル検索機能と非常に親和性が高いと考えられる。それにもかかわらずGoogleがZipdashの買収をメディアに積極的に公開しなかった理由は不明だ。
関連情報
■URL
米GoogleがSECに提出した子会社一覧(英文)
http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1288776/000119312505065298/dex2101.htm
Zipdash(英文)
http://www.zipdash.com/
■関連記事
・ 我々はもはや単なるテクノロジー企業ではない~米Googleが自社を定義(2005/04/04)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/04/04 16:30
- ページの先頭へ-
|