米Yahoo!は15日、新しい「Yahoo! News」のベータ版を一般に公開した。ページを移動しないで表示を切り替えるためにJavaScriptを多用しており、その結果、ニュースの見せ方も大きく変わっている。
各ページの上部には、ニュースのジャンルを「U.S.」「Business」「Tech」などのジャンルで切り替えるためのタブがいつでも一覧できるようになった。これらは現行のYahoo! Newsでは左側のコラムに位置しているものだが、タブ形式にすることよってより細かな分類が上部に表示できるようになっただけでなく、現在表示しているニュースのジャンルを明確に意識できるようになった。
興味深いのはトップページの見せ方だ。トップページには各ジャンルのニュースのヘッドラインがブロックごとに分類して表示されるが、それぞれのブロックにはニュースソース別のタブが表示されている。例えば「Top Stories」のブロックでは「AP」「Reuters」「AFP」「washingtonpost.com」などが並んでおり、これらをクリックするとページが切り替わることなく即座にそれぞれのヘッドラインが表示される。どのニュースソースがどのニュースをヘッドラインとして掲げているのかを即座に見渡すことができ、ニュースやニュースソースを比較することが容易になった。
このタブの中には「My Sources」という項目があるが、これはRSSによって自分の好きなブログやニュースサイトをYahoo! Newsで表示できるものだ。注目されるのは「My Sources」つまり「私のニュースソース」という表記の中に「RSS」という言葉が使われていない点だ。権威を持つジャーナリズムと個人が運営しているブログとの間に垣根を設けない表示の仕方だと言え、価値あるニュースは受け手が決めるという最近のYahoo! Newsの表現方法がここでも垣間見られる。
さらに、Yahoo!が現在ベータテストを行なっている検索ツール「Y!Q」のリンクがニュース本文中の単語などに埋め込まれている。このリンクをクリックすると、文脈に応じて最適な検索結果がポップアップ表示される。記事中に登場する人物や事象に関する理解を深めることができるようになっている。
現行ののYahoo! Newsは、Yahoo!の編集者が各ニュースソースをもとにヘッドラインの表示を編集する伝統的なジャーナリズムを踏襲している。これに対して今回公開されたベータ版は、人手を介するかコンピュータで自動化するかというアプローチの仕方が異なるものの、テクノロジーを使ってニュースの比較しやすくする道を切り開いた「Google News」を意識したものと言えるかもしれない。Google Newsは英語圏で人気があるが、新しいYahoo! Newsのベータ版はポータルとしてかなり使いやすくなった印象があり、この分野にも激しい競争が見られる。
関連情報
■URL
Yahoo! News BETA
http://beta.news.yahoo.com/
現行のYahoo! News(英文)
http://news.yahoo.com/
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/04/15 13:19
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