NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は15日、ノートPCの盗難や紛失による情報漏洩を防ぐ「セキュアドライブ」を開発したと発表した。機密情報などのデータを外部HDDなどと分散して保持し、両方がそろわなければデータを復元できないという。
セキュアドライブでは、NTT Comが開発した「秘密分散システム」のアルゴリズムよりデータを3つに分散し、ノートPCの内蔵HDD、外部HDD、バックアップ用のデータセンターにそれぞれ保存する。分散データはいずれも完全な乱数となっており、このうち2つがそろわなければ元のデータは復元できないという。1つの分散データだけでは時間をかけても内容を解読できないため、例えばノートPCを紛失しても情報漏洩にはあたらないとしている。万一、分散データの1つが盗まれた場合は、残りの2つの分散データをもとにして新しい3つの分散データを生成可能だ。これにより、盗まれた最初の分散データと対になる分散データをなくすことができる。
秘密分散システムはNTT Comがすでに提供している「セキュアUSBメモリサービス」などで採用されているが、セキュアドライブは、これをWindowsのドライバレベルで実装したものだ。仮想ドライブの1つとして、通常のドライブと同様に扱える。ノートPCと外部HDDを接続するとセキュアドライブがマウントされ、セキュアドライブに対するデータの読み込みや書き込みを行なうと、データの分散・復元がリアルタイムに行なわれる仕組みだ。大容量ファイルを高速に処理でき、動作速度の低下は10%程度だとしている。
NTT Comでは5月から企業6社の協力のもとでフィールド実験を行ない、6月末の製品化を予定している。当初は、セキュアドライブを設定済みのノートPCや外部HDDのセット販売を考えているが、対応が確認されたノートPCであれば、ドライバの追加とパーティションなどの再設定によりセキュアドライブを利用できるようになるという。ドライバのみであればそれほど高価にはならないため、コンシューマでも購入できるようにしたいとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ntt.com/NEWS_RELEASE/2005NEWS/0004/0415.html
関連記事:NTT Com、秘密分散法を用いた「セキュアUSBメモリサービス」[Enterprise Watch]
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/security/2005/03/24/4901.html
( 永沢 茂 )
2005/04/15 19:14
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