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EU、電気通信分野の法令改正が不十分として加盟10カ国に強制手続き開始


 欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会は、ドイツ、イタリア、ラトビア、マルタ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、フィンランドの加盟10カ国に対して、EUが2004年末に決定した電気通信に関する法令施行規則に違反するとして、侵害回復の手続きを開始したと発表した。

 EUでは、電気通信関連法を改正する義務を加盟国に負わせる指令を種々出してきており、従わなかった加盟国に対して対策をとってきた。今回は、自由競争を促進するための権限を規制当局に保障するEUの電気通信規制の枠組みを、国内法に適用していないことが問題となった。規制当局に完全な権限がない場合には、加盟国内の競争が完全に行なわれず、国民に不利益が生じることになるというのがその理由とされている。上記10カ国は、適用が不十分または適用されていないと判断された。

 10カ国のうちラトビア、マルタ、ポーランドに至っては、競争市場を創出する環境が全く整備されていないと指摘され、特に電話番号のポータビリティが保障されていない点が挙げられた。ポーランドでは、さらに緊急事態用の番号が112に統一されていないことも指摘された(欧州では共通して112)。

 10カ国にはすぐに罰則が与えられるのではなく、問題解決を図る一定の期間が与えられる。また、今回の手続きは最終的なものではなく、第10回調査報告書に基づく最初のアクションにあたる。さらに警告や侵害回復の手続きが執られる可能性があるという。欧州委員会が域内の通信環境の整備に必死であることは、今回のアクションだけでなく、この2年間だけでも5回もアクションが執られていることにも現われている。今後も欧州委による厳しい監視が続きそうだ。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/05/430&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en

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( Gana Hiyoshi )
2005/04/18 18:21

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