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NTTデータなど4社、ユビキタス社会実現に向け「IDコマース基盤」共同検討


左からNECの伊久美功一執行役員常務、NTTデータの中村直司代表取締役副社長、富士通の斑目廣哉取締役専務、日立製作所の篠本学執行役常務

「IDコマースとはもっと個人を意識したもの」と語る中村副社長
 NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所の4社は20日、ユビキタスネットワーク社会の早期実現に向けて、「IDコマース基盤」を共同検討すると発表した。NTTデータを事務局として早期に「IDコマース基盤検討会」を発足させ、8月にもプロトタイプシステムの設計・開発に取りかかる。2006年1月からは実証実験も行なう予定だ。

 IDコマース基盤とは、RFIDなどのIDをキーとしてさまざまなシステムや機器をシームレスに連携できるサービスインフラのこと。NTTデータの中村直司代表取締役副社長は「Eコマースは伝票のやり取りを電子化したものだ。IDタグを利用するIDコマースとはもっと個人を意識したもの」とEコマースとの違いを強調。「RFIDをはじめとしたIDタグはこれまでも利用されていたが、セキュリティやID同士の連携、システムとの連携などに課題を抱えていた」と語る。

 IDコマース基盤検討会では、RFID端末の認証や登録に関する「端末管理」、異なるID情報の相互連携に関する「ID管理」、扱うモノの情報を集約し、端末やサービス間でID情報の受け渡しを可能にする「イベント管理」、ID情報システムと既存の業務用アプリケーションを連携させてサービスを統合する「サービス連携」といったIDコマース基盤を構成する機能要件を検討する。また、これら各基盤を接続するインターフェースも検討し、成果は標準化団体などを通じて積極的に公開するとしている。

 日本ではe-Japan戦略などの政府方針もあって、IDタグの利活用はすでに始まっているが、中村副社長は「実際のシステムは多くない。問題が表面化するのはこれから。それを見越して検討する」という。また、「日本企業はこれまでそれぞれの立場でIDタグを研究してきたが、日本発の次世代インフラとして世界に寄与し、標準化の動きをリードするためにも、業界として連携する必要がある」と述べた。

 今後は4社で検討を重ね、2006年1月にも相互接続を行なう実証実験を実施する予定だ。なお、検討会自体は「クローズドの存在ではない」という。中村副社長は「参加企業が増えると相互接続を実現するための作業が増えるが、企業数を意識したことはない。携帯電話事業者など通信事業者も参加する可能性もあるのではないか」との見解を示した。


IDコマース基盤検討会の位置付け

関連情報

URL
  NTTデータのニュースリリース
  http://www.nttdata.co.jp/release/2005/042000.html


( 鷹木 創 )
2005/04/20 18:53

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