センドメールは17日、メールセキュリティ統合プラットフォーム「Sendmail Mailstream Manager」(Mailstream Manager)の販売を開始した。出荷は6月上旬の予定。Windows、Red Hat Linux、SuSE Linux、MIRACLE LINUX、Solarisなどの各種OSに対応する。価格はオープンプライスで、販売パートナーを通じて提供される。なお、パートナーの1社であるエイ・エヌ・テイでは、50ユーザーの最小構成で定価13万円程度を予定している。
Mailstream Managerは、ウイルス対策やスパムメール対策、情報漏洩防止、法令遵守(コンプライアンス)のためのポリシー設定・実施機能を統合し、各種メールに対するアクションをGUIで一元的に管理できるミドルウェアソリューション。MTA(Message Transfer Agent)のプラグインとして利用できるほか、メール流通量の規模によってはMTAそのものとしても利用可能だという。
|
|
センドメールの小島社長
|
Mailstream Managerのデモ。GUIで設定する
|
メールポリシーの設定条件は、送信先、送信先種別、BCCの有無、メール本文や添付ファイルに含まれるキーワードなど。添付ファイルには、PDF/Word/Excel/PowerPoint/HTML/RTM/CMS/MIME/ZIP/TAR/などのファイル形式をサポート。例えばActiveXやJavaScriptが添付されている場合に、それらのファイルを事前に削除することも可能だ。
また、キーワードを指定することで個人情報や機密情報が誤って外部に送信されたり、BCC送信を制限することで競合他社への情報漏洩を防止できる。LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)にも対応し、NGキーワードが記載されたメールを自動的に管理者や上司に転送する機能も搭載した。センドメールの小島國照社長は「金融機関であれば、“必ず”“保証します”“払い戻します”という社内規則に反するキーワードを設定すれば、コンプライアンスにも役立てる」という。
Microsoft ExchangeやLotus Notesなど、既存のメールシステムやグループウェアにアドオンすることも可能だ。ウイルス・スパムメール対策では、オプションとして提供されるマカフィーやシマンテック、トレンドマイクロといったサードパーティの製品と統合できるようになっている。このほか、Sender IDやDomainKeysといった送信者ドメイン認証との組み合わせも可能だ。この送信者ドメイン認証やLDAPと組み合わせることで、アンチウイルス/アンチスパムゲートウェイサーバーの前で不要なメールを振り分けることが可能で、フィルタリングを行なう機器の負荷を減らせるという。
Mailstream Managerは米国で2004年10月にリリースされており、すでに23の企業で150万ユーザーに利用されている。今回国内で提供されたものは、2005年4月に米国でリリースしたバージョン2.0を元にローカライズした。小島社長は「米国のスパムメール受信率は、一般的に6~7割といわれているが、Mailstream Managerを導入すれば、アンチウイルス/アンチスパムゲートウェイサーバーの負荷を3分の1程度に減らすことができる。受信率が高くないと言われる日本でも少なくとも半減できるのではないか」とコメントした。
なお、小島社長によれば「Sender IDの実装はISP各社などで始まっており、今後も導入事例が増加するだろう」と予測。DomainKeysに関しては「Ciscoが提案するInternet Identify Mailプロトコル(IIM)との統合作業が進行している。センドメールが取りまとめを担当しているが、ようやく各社の意見が集約されつつある状況だ。2005年秋に予定されているIETFにはドラフト版を提出できるだろう」と語った。
関連情報
■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.sendmail.com/jp/brochures/final_050517MM.pdf
センドメール
http://www.sendmail.com/jp/
( 鷹木 創 )
2005/05/17 17:39
- ページの先頭へ-
|