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2004年度の著作権使用料は微増、ビデオ・DVDの落ち込みに不安~JASRAC発表


 日本音楽著作権協会(JASRAC)は18日、2004年度の音楽著作権使用料徴収額などの事業結果を公表した。2004年度のJASRACにおける使用料などの徴収額は約1,108億円で、前年度に比べて1.2%の増加となった。

 徴収額の内訳は、演奏・放送などが約451億円(前年比4.0%増)、CDやDVDなどの録音メディアが約442億円(同3.8%減)、出版が約16億円(同6.6%減)、レンタルCD・ビデオなどが約38億円、通信カラオケや着信メロディなどが約152億円(同10.2%増)。

 分野別では、テレビなどの放送局の使用料による「放送等」が約224億円(同13.6%増)、着信メロディなどによる「インタラクティブ配信」が約93億円(同12.9%増)などが増加したものの、CDなどの「オーディオディスク」は約268億円(同5.3%減)と6年連続の減少となった。

 着信メロディなどのインタラクティブ配信は、2004年度も引き続き増加しており、特に2004年度は「着うたフル」などのフルレングス楽曲配信や、PCへの楽曲配信の割合が増加したのが特徴であるとして、今後もこの傾向は続くとの見通しを語った。また、放送における著作権使用料の増加については、包括契約による使用料の定期的な見直しが行なわれたためとしている。

 2005年度の見通しについてJASRACの加藤理事は、「これまで好調だったビデオ・DVDの使用料の伸びが鈍っており、諸手を上げて喜べない状況にある」とした。「特に2005年1月~3月期には、CDの売上が前年の85%、ビデオ・DVDの売上が前年の78%に落ち込んでいるといったデータもある」と述べ、2005年度予算における使用料徴収額は2004年度を下回る約1,082億円としていることを明らかにした。

 また、JASRACでは、2004年度の著作権使用料の分配額によって決定される「JASRAC賞」を発表した。国内作品の分配額第1位の楽曲に贈られる「金賞」は、「世界に一つだけの花」が2年連続の受賞となった。銀賞(第2位)は「涙そうそう」、銅賞(第3位)は「機動戦士ガンダムSEED BGM」がそれぞれ受賞した。

 国内作品のうち海外からの入金による分配額が最も多かった「国際賞」には、「ポケットモンスターBGM」が選ばれた。この分野では、2位が「おジャ魔女どれみBGM」、3位が「デジモンアドベンチャーBGM」など、上位20位までのほとんどをアニメのBGMが占めている。海外作品の分配額第1位に贈られる「外国作品賞」は、2年連続で「ZOOM ZOOM ZOOM」が受賞した。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.jasrac.or.jp/release/05/05_1.html

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( 三柳英樹 )
2005/05/18 20:11

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