欧州連合(EU)の行政部門である欧州委員会は、保健産業における情報通信技術のより効率的な活用を目指す政策「eヘルス」を議論するため、関連閣僚や技術者が参加する会議を23日から24日までノルウェーのトロムソで開催している。ノルウェー政府とEUとの共催で開かれ、今回で3回目を迎えるこの会議では、欧州全域にわたり品質の高い医療サービスを提供するための議論が交わされる。
欧州の保健産業担当委員であるMarkos Kyprianou氏は、「eヘルスが患者にとって力となり、保健産業を改善することができる。医療ミスも減少し、救命率も著しく上昇するはずである」と指摘。このためには、保健担当大臣と技術者や患者団体、NGOなど関係者が協力することが不可欠であり、今回の会議がそれに一役買うとの認識を示した。
他方で、情報技術担当委員のViviane Reding氏は、「欧州のeヘルスのあり方は、デスクワークではなく患者に出費すべき」というモットーのもと、例えば、病気の診断や処方をより正確にするために情報技術やデータベースを効率よく利用することで医療ミスを減らすべきであると指摘した。これにより、当然ながら紙を使用する業務は減ることになるため、デンマークでは患者情報の電子化により1年間に100万ユーロ(約1億3,500万円)節約できたという。さらにこの額は350万ユーロに拡大する余地があるとしている。
また、eヘルスは患者自身の治療への参加も促進することになる。より正確な情報が患者に伝わるため、患者自身にとって適切な選択するための環境が整う。患者への情報提供のためのWebサイトも整備していくとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/05/583&format=HTML&aged=0&language=en&guiLanguage=en
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http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0318/eeurope.htm
( Gana Hiyoshi )
2005/05/23 17:37
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