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JNSA、「インターネット安全運動大使」に奥菜恵を任命


奥菜恵
 NPOの日本ネットワークセキュリティ協会(以下JNSA)は、「インターネット安全運動」を6月18日から1カ月間に渡って実施する。9日に開かれた発表記者会見では、「インターネット安全運動大使」として女優の奥菜恵を迎え、大使任命式とトークショーを実施した。

 インターネット安全運動は「ネットの安心、身につけよう」をスローガンに今年から行なわれる運動。一般ユーザーでも安全・安心にインターネットを使うための手法について広く啓蒙するのが目的で、期間中はセミナー・シンポジウムなどの各種イベントを展開する。運動期間は6月18日から7月18日で、協賛・講演する企業や団体とともに、シンポジウムの開催やセキュリティ情報サイトの公開、安全対策ガイドブックの配布などを集中的に行なう。

 運動には、マイクロソフトやトレンドマイクロ、ソフトバンクBBをはじめとしたIT企業に加え、日本ユニセフ協会などの各種協会、大型小売店を全国に展開するイオンなど、合計37の団体が協賛・後援する。なお、協賛団体などから構成される実行委員会の委員長は、中央大学理工学部教授の土居範久氏が選ばれている。


セキュリティについては旦那様からアドバイスも?

実行委員長の土居範久氏から任命状を受け取る

 今回の運動に当たって実行委員会では、啓蒙活動の一環を担う「インターネット安全運動大使」として女優の奥菜恵を起用、大使任命式を実施した。多数の報道陣が詰め掛ける中で登場した奥菜は、実行委員会長の土居氏から任命状を授与されると、「お話をいただいたときは驚きました。ただ、以前から関心のある分野でしたので、少しでも多くの人に運動のことを広げていきたいです」と抱負を語った。

 任命式に引き続いて、トークショーが開催された。奥菜は「2日に1回くらいのペースでインターネットを利用している。用途はおもにメールやショッピング、あとちょっとした調べものにも」と話しているが、「ネットの怖さ」を体験する機会は今のところないとのこと。テレビや新聞で報道されるオークション詐欺やウイルスメールのニュースなどに驚くばかりだという。

 「なにか安全対策をしていますか?」という司会者からの問いには「『簡単にクレジットカードの番号を登録しないほうがいい』と夫から言われたことがある」と回答。また、同席する土居氏へ「(安全対策として)具体的な方法は、『知らない人からのメールを開かない』といったことですか?」と質問するシーンも見られた。土居氏からは「ウイルス対策ソフトも導入すると良い。また(怪しいメールを判別するためには)直感も駆使してほしい」とアドバイスされると、安全対策の難しさに苦笑いを浮かべていた。

 トークショーの最後には、奥菜が大使としての決意を表明。「いちユーザーとして、インターネットはとても便利だし楽しいもの。ただ、どうしたらより安心して楽しめるかが重要だと思う。(JNSAが開設する)特設サイトに様々な情報を載せていくので、まずはそこにアクセスしてほしい」とコメントし、大使として最初の仕事を果たした。なお、インターネット安全運動の特設サイトは、6月17日オープン予定だ。


1回限りではない、毎年恒例の運動へ

関係者らも列席した記念撮影
 記者会見の会場では大使任命式・トークショーに先立ち、主催者側の運動趣旨説明が行なわれた。まず最初に演壇へ登った実行委員会委員長土居氏は「総務省の調査によれば、日本のインターネット利用者数は7,900万人。いまや8割の人口がなんらかの形でインターネットを利用している」と説明。「一方でソフトウェアの脆弱性などをついた攻撃が増え、きわめて深刻な問題となっている」と、ネットワーク事情を分析した。

 さらに迷惑メールやオークション詐欺、児童ポルノなどを例示しながら「法整備などの政府対応は進み始めているものの、市民レベルでもなんらかの安全対策をしなければならない時代だ」と続け、今回の運動が、ITスキルが低いとされる子供や高齢者ユーザーを強く意識したものであると強調する。

 JNSA事務局長の下村正洋氏は、ホームページの改ざんなどに悪質行為が留まらず、フィッシング詐欺でユーザーの個人情報を不正入手するような、加害者側にとって“実利のある攻撃”が増える傾向があると補足。「ブロードバンド環境が整備されたことは一般市民にとってよいことだが、悪意ある者にとっても同様だ」と苦しい現状を語る。

「JNSAとしても様々な安全啓蒙活動を行なってきたが、我々一団体だけで行なうには限界がある。そこで今回、様々な企業・団体と協力して『大きな波』を起こすべく企画した」と運動の背景についても言及。一般ユーザーへの啓発を最大の目標とし、今年だけに限らず毎年恒例の運動として定着させることを狙う。

 最終的なイベント規模については、関係団体と調整中。下村氏は「初の試みだが、全世界でもあまり例がないものだろう。かつての交通戦争を技術と知恵で克服したように、インターネットの問題も我々の努力で解決していきたい」との意欲を示した。


関連情報

URL
  インターネット安全運動(6月17日オープン予定)
  http://www.jnsa.org/safety/
  日本ネットワークセキュリティ協会
  http://www.jnsa.org/


( 森田秀一 )
2005/06/09 21:36

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