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Tナビによる地域ポータルの仕組み
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松下電器の大野マネージャー
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松下電器産業は、テレビを利用したインターネット情報サービス「Tナビ」において、CATV事業者向けのASPサービスを拡充する。
同社は、これまでにもCATV事業者向けにASPサービスを提供してきたが、今回のサービス拡充によって、地域における情報提供を強化する。双方型のメリットを発揮しやすい地域でのTナビ利用を促進するのが狙いだ。拡充した主なASPサービスは「コミチャン情報配信サービス」「Photoメールサービス」「STB簡単操作ガイド」の3つ。それぞれ7月から提供される。
コミチャン情報配信サービスは、番組紹介などコミュニティチャンネルの情報を、地域ポータルを通じて自動的に配信するサービス。加入者は番組ガイドがなくてもTナビ上でCATV局のお勧め番組情報をチェックできるようになる。
Photoメールサービスは、地域ポータルを通じて、メールに添付された写真画像を確認できるサービス。「簡単な操作でメールを閲覧できる上に、添付された写真も閲覧可能なことから、比較的高齢者の加入が多い地方のCATV事業者には魅力的なサービスになる」(松下電器eネット事業本部ネットワークサービスの大野誠一グループマネージャー)としている。
STB簡単操作ガイドは、STBの操作方法をビジュアルを多用してわかりやすく説明するサービスで、リモコンの使い方など汎用的な内容を中心に提供される。
なお、各ASPサービスを利用するにはTナビ対応のSTBが必要だ。ユーザーはTナビのポータルサイトから「Tナビ・CATV局ボタン」をクリックし、地域ポータルサイトにアクセスできる。
13日に開かれた記者会見では、実際にTナビのASPサービスを導入しているCATV事業者3社が出席。大分ケーブルテレコム経営企画室の小野祐二室長は、地域ポータルサイトで大分市の行政情報や休日夜間の当番医などの地域医療情報、大分合同新聞から提供される地域ニュース速報などを提供していることを示し、「地域に密着した回覧板のような役割として定着させていくことを考えている。今後は介護向けなどの特定用途向けのサービスも開始したい」とコメントした。
また、大阪府池田市を地盤に展開するケーブルウエストでは、地域ポータルサイトの中で、地域13校の学校給食を一括で担当する池田給食センターによる給食人気ランキング調査や、水周りのトラブルやリフォームなどの生活支援情報を提供するサービスなどを開始。ケーブルウエストの徳田瑞穂取締役は「朝起きたら、まずはTナビのボタンを押してもらえるような情報を提供し、地域貢献へとつなげたい」と語った。
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大分ケーブルテレコムの小野室長
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ケーブルウエストの徳田取締役
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東京ベイネットワークの佐藤メディアグループ長
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一方、江東区、中央区を対象にサービスを提供している東京ベイネットワークでは、「Tナビで提供されている140にのぼるサービスが利用可能で、さらに新たな情報発信チャンネルを用意できる。今後は行政情報、デパートショップ情報、交通情報などへも情報の幅を広げていきたい」(東京ベイネットワークの佐藤龍子メディアグループ長)という。
松下電器でも、こうしたCATV事業者の要望に応じ、地域向け各種情報提供の支援サービスも強化していく方針だ。現在、24社のCATV事業者が、Tナビから地域ポータルを提供しているが、大野マネージャーは「今回のサービス拡張を機に、年度内には50局まで利用を増やしたい」と意欲を見せた。
Tナビは、松下電器の薄型テレビ「VIERA」をはじめ、パイオニア、日本ビクター、日立製作所、三菱電機などから、10社40機種の対応テレビ、対応チューナー、STBが発売されており、累計でテレビ、チューナーで120万台、STBで80万台が市場に出ている。Tナビ公式サイトでも13日時点で17ジャンル141サービスが提供されており、「1年で、約2倍に増加している」(大野マネージャー)という。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://panasonic.co.jp/enet/news/050613.html
Tナビ
http://tnavi.net/
■関連記事
・ 松下、TナビでCATV向け地域情報を配信する新サービス(2004/06/22)
( 大河原克行 )
2005/06/13 20:21
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