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ファイル交換を音楽業界の収益源にすることを目指す「SNOCAP」

Napster開発者らの企業が楽曲レジストリ提供開始

 レコード会社が楽曲のインターネット配信を計画しても、著作権等の問題を明確にするのは容易なことではない。また、音楽ダウンロードサイトを合法的に経営しようと思えば複数のレコード会社と膨大な数の契約書を交わさないければならなくなる。ましてP2Pファイル交換ネットワークで合法的に音楽をダウンロードするための法的な手続きは膨大な量になるだろう。

 米SNOCAPは13日、こうした手間を大幅に削減することを目指すB2Bサービスを開始した。これはSNOCAPが「デジタルレジストリ」と呼んでいるもので、自分の楽曲をデジタル形式で公開・販売したいと考えているアーティストやレコードレーベルが公開条件を登録できるワンストップサイトを目指す。音楽ダウンロード販売サイトであれ、P2Pネットワークであれ、音楽を販売したいと考える企業はSNOCAPと提携するだけで、SNOCAPに登録してあるすべてアーティストの楽曲をそれぞれが選択するDRMを使って販売することが可能になる。

 現在、SNOCAPは5大音楽レーベルだけでなく多くのインディーズレーベルとも提携しており、これらの企業はすでに楽曲の登録を開始しているとされる。SNOCAPに登録したいアーティストや企業は、必要なフォームに記入した後にSNOCAPから提供されるPDFファイルを印刷し、必要事項を記入してSNOCAPに郵送することにより、楽曲の登録作業が完了する。現時点でSNOCAPは米国でのみサービスを提供しているが、将来的には国際的なサービスを行なうことも検討しているという。

 SNOCAPは2002年にサンフランシスコで創業されたが、創業者はNapsterの開発者であるShawn Fanning氏と初期開発チームである。Napsterは違法コンテンツの温床となったことで大きな問題となったが、未だにP2Pネットワーク上では多くの違法コンテンツが増えている。一方、iTunes Music Storeに代表されるような合法的な音楽サイトで提供されている楽曲の数は違法サイトにまだ遠く及ばないと言われている。SNOCAPは、世界最大の合法的音楽のレジストリを提供することで、インフラとして大きな可能性を秘めているP2Pネットワークを音楽業界の収益源とし、ユーザーの満足度を高めることを目標としている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.snocap.com/press/releases/?id=6

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/06/14 13:35

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