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KDDI、固定と無線の融合を図る次世代通信インフラ「ウルトラ3G」構想を発表


KDDIの小野寺正代表取締役社長
 KDDIは15日、auのデータ通信インフラのCDMA2000 1x EV-DO方式を機能拡張した「EV-DO Rev.A」(Rev.A)を2006年中に導入することを発表した。あわせて、次世代通信インフラとして、固定網と無線通信の融合を図る「ウルトラ3G」の構築を進めることも明らかにした。

 EV-DO Rev.Aでは、ピーク速度とQoSが向上することが主な強化点だ。ピーク速度については、現行の1x EV-DO(Rev.0)では下り2.4Mbps、上り154kbpsだが、Rev.Aでは下り3.1Mbps、上り1.8Mbpsと、上り速度が大幅に向上した。QoSについては、全てのパケットが同等にベストエフォートされていたRev.0に対して、Rev.Aではサービスの種類に応じたパケットの優先制御が可能となる。具体的には、ストリーミングなどのリアルタイムサービスが優先されることで、回線が混み合っている状況でも十分な品質のサービスを提供できるという。

 Rev.Aの適用分野として、KDDIの小野寺正代表取締役社長は「現行のRev.0は着うたフルなど高速ダウンロードの利用に適しているが、Rev.Aではダウンロードだけでなく、撮影した動画をその場でアップすることなどが可能になるだろう」と説明する。


au/KDDIの3Gシステムの進化 1x EV-DO Rev.Aでの強化点

 さらにKDDIでは、5月に米国で行なわれた3GPP2の会合において、次世代のCDMA2000無線方式標準規格を策定する合意があったことを発表した。最大通信速度の向上(下り100Mbps~1Gbps、上り50Mbps)、音声通信容量の向上(VoIPを想定)、周波数利用効率の向上、現行システムとの互換性維持などの実現を目指すもので、2007年中の完成を予定している。

 また、KDDIでは次世代CDMA2000無線方式を全国展開するとともに、固定網と携帯電話の融合を図る次世代通信インフラ「ウルトラ3G」を構築することを明らかにした。現行の3G携帯電話や無線LANに加えて、次世代CDMA2000やIEEE 802.16eなどの新たな無線システム、ADSLやFTTHなどの有線アクセスを包含し、シームレスなサービスを提供する。ウルトラ3Gのネットワークは、VoIP電話やマルチメディアサービスのための提供基盤として3GPP2で規格化されているMMD(Multimedia Domain)に準拠して構築される。


「ウルトラ3G」とは 次世代のCDMA2000無線方式

次世代CDMA2000提案起業 「ウルトラ3G」構想

 小野寺社長は「ウルトラ3Gでは、4G携帯電話システムも包含し、固定通信と移動通信の連携統合を図る。固定網と無線通信を意識することなく、時と場所に応じて高速データサービスや高品質マルチメディアサービスを最適な通信環境で利用できるのが特徴」と語った。さらに、「家庭で録画したテレビ番組を自動的に『マイデータセンター』というストレージに集める仕組みを提供することで、外出先からでも無線アクセスによって録画した番組を閲覧できる」として、固定と無線を問わないサービス活用例を挙げた。


固定移動統合網 高速データ通信によるマイデータセンター

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2005/0615/


( 増田 覚 )
2005/06/15 19:33

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